『ハルモス~』完結しました
ネタバレあるかもしれませんので、『ハルモス~』未読の方はお気を付けください。
はい、というわけで本日更新分を以て『ハルモスの箱に終わりはない』完結です。
文字数はめちゃんこ長いというわけではないのに、なんだか遠い道のりを歩んだ気がひしひしとしております。
事情をご存知の方もいらっしゃると思いますが、この作品は他サイトに載せていたものなのですが、完結目前で強制非公開となってしまったため、手直しをしつつこちらのサイトに転載させてもらった、といういきさつがあります。
ので、なんだかずっと彼らに向き合っていた気分です。
書き始めた当初は、とりあえず完結まで書く、というのを目標にして、さらっと書ける軽めの話を……と考えてました。
それなのに話が進むにつれてなぜか史彰に不憫な過去がくっついてきて、あれれ? と首を傾げております。
バカップルがすれ違いを経験してまたくっつく、となるはずが(実際そうなのですが)、思いの外ヘビーなお話になっちゃったな、と。
せっかく完結したので中身について少しだけ語らせてください。
ハルモス~で書きたかったシーンはいくつかあるのですが、一番は一颯が史彰に、おまえがゴミでも捨てないと言ったあのシーンなんですね。
一寸法師は大きくなって、こぶとりじいさんはこぶが取れて、というように、日本の昔話は『ノーマル』になることでハッピーエンドを迎える、という話を昔聞いたことがあります。(それが良い悪いという話がしたいわけではありません)
史彰にとって『ゴミ』というのはこぶとりじいさんの『こぶ』だと思います。
自分はゴミじゃない、という『ゴミ』を克服する未来と。
『ゴミ』のままでそれを受け入れて生きる未来。
今回は二つの選択肢がありました。
私は、おまえはゴミじゃない、と言われるよりも、ゴミのおまえでも愛してる、と言われた方が史彰は嬉しいんじゃないかなと思って、一颯とのあのシーンを書きました。
ありのまま、他のものにならなくてもそのままの自分を愛してくれる、というのが究極の愛なんじゃないかな、と思います。
究極の愛について語ると長くなるので割愛www
あ、あと、他サイトの頃から愛のあるコメントで突っ込みなどいろいろ頂戴しておりました。
こんなすれ違う前に話しろよ、とか。(意訳)
だいじなことはちゃんと話しとけよ、とか。(意訳)
一颯が史彰のことちゃんと理解できてないんじゃないか、とか。(意訳)
(すべて意訳です。本当はもっとちゃんと愛あるコメントですので誤解のないよう)
それらすべての突っ込みには、このひと言でお返事したいと思います。
『人間だもの』
真面目な話、すれ違いはまぁどんな相手とでも起こるものなのでそこは置いといて、一颯と史彰の相互理解については、ぜんぶ理解する、というのは到底無理なことだと個人的には思います。
史彰は史彰で、一颯のことを神聖視しすぎてるきらいもあるし。
一颯は一颯で、史彰とはべつの人間なので彼の傷をぜんぶわかってあげることはできないし。
その辺はこれからも色んなすれ違いや齟齬を経験して、互いの腹を見せ合って、互いを思いやっていくうちに埋まってゆく部分もあるでしょうし、死ぬまで埋まらないものもあると思います。
だって、人間だもの(便利!!)
そんなこんなでこの二人を最後まで見届けていただくことができて、ホッとしております。
他サイトから追いかけてきてくださった方、最後まで読んでくださった方、リアクションなどで応援してくださった方、この作品を読んでくださったすべての方に感謝を捧げます!!
ありがとうございました!!