コラボSSS パート3 〜クリスマスバージョン〜

 

それぞれの今年のクリスマス

 

 

〜紫瞠さん家の場合〜

 

柳「じんぐっべ〜♪ じんぐっべ〜♪ ふんふんふ〜ん、ふふ〜ん♪」
海「やれやれ。ウチの奥さんも、ついに人語を解さなくなりましたか」
柳「せめて音痴って言って!?」
海「音痴とは思っていませんよ。発音は壊滅的ですが」
柳「リズムには乗ってるよ!」
海「それで? 朝早くから何を作っているんですか、お前は」
柳「クリスマスケーキだよ。昨日、確認したでしょ? おっきなケーキを作りたいって。だからほら、生クリームにスポンジに苺に……」
海「ええ。昨夜に私はお前から、クリスマスケーキを作ると聞きましたよ。ですが、何ですか。これは……」
柳「だからクリスマスケー……」
海「ウェディングケーキの間違いでしょう」
柳「えっ!? ウェディングケーキ!? ただの3段重ねのクリスマスケーキだよ!?」
海「普通、3段重ねは『ただの』に括られないでしょう」
柳「そうかなぁ? 廻や魅色ちゃんは、2段重ねも喜んで食べるけれど……」
海(聞くだけで胸焼けが起こる……)
柳「それに、白さんならこのケーキ、ペロリと食べてくれそうだし」
海「今、何と?」ピクッ
柳「え? 白さんならペロリと……あ、そうそう! このケーキね、白さんに食べてもらおうと思ってるの! 海さんは甘いの苦手でしょ。だから……」
海「白とは?」←不機嫌そう
柳「んもう、忘れてるの? フードファイターの炬白さんだよ。ほら、前に海さんも会ったことあるでしょ? 写真だって……」
海「知りません」キッパリ
柳「えっ? で、でも前に一緒に……」
海「それよりも、私という夫がいながら他の者の為にケーキを作るとは……実に罪深い奥さんだ」
柳「えっ!?」
海「浮気ですか。そうですか。いやはや……オレとしたことが、甘くしすぎたようだな」
柳「浮気!? 僕、浮気なんてしてな……うわあ!?」←抱き上げられた
海「オレ以外の男に目もくれないよう、徹底的に仕込んでやるから覚悟しろ」
柳「ちょちょっ、待って待って! ちゃんと海さん用にローストチキンも用意してあ……ふぎゃあ〜!?」

 

 

 

〜葛城さん家と炬さん家の場合〜

 

武虎「柳ちゃん、来ねぇなぁ。こりゃ、賭けは白ちゃんの勝ちだな」
白「だろ〜? 旦那の海って人、独占欲強そうだもん。ケーキをたらふく食いたいってボヤいた俺の為にケーキを作るって張り切ってくれていたけれど、こればかりはしょうがない」
武虎「他所の男にプレゼントなんて、普通は許せねーからなぁ……ってことで、はい、白ちゃん。武虎特製ショートケーキだよ」
白「あらあら、虎ちゃん。君はいいの? 俺の為にケーキなんて作ってくれちゃって」
武虎「おいおい、何言ってるんだよ。マイハニー。君の為なら、ケーキだろうがどら焼きだろうが、何でも作っちゃうぜぃ」
白「虎ちゃんっ!」ギュッ
武虎「白ちゃんっ!」ギュッ
椿木「おいこらそこぉ! 僕の白ママに手を出してんじゃねぇ!!」
月草「おいこら、椿ぃ! お前、デコレーションから目を離してんじゃねえよ!」ショートケーキをデコレーション中
滴「おかしいな。何か、焦げてる……気がする」チーズケーキをオーブンで焼成中
月草「こっちはこっちで何でそんなに冷静なんすか!?」
武虎「んも〜。どったの、君達ぃ。先生無しでクリスマスケーキを作るって言ったの、君達でしょお?」
滴「武虎。このチーズケーキ、何故か焦げた」
武虎「逆に何で焦げるの」クスクス
椿木「白ママぁ! どうして僕以外の男とイチャイチャするのぉ!」えぐえぐ
白「暇だったから」モグモグ
月草「もうこれ絶対に美味くなる気がしねぇよ……」ケーキぐちゃぐちゃ
白「だーいじょうぶだって。土台は上手くできたんだし、デコレーションなんざ後からどうにでもなるから。まずは露草達でやってみてよ」
月草「こんなぐちゃぐちゃなのに、修正なんて……」
武虎「諦めたら、そこでケーキは終了ですよ」
滴「武虎。それ、バスケ漫画の名言」
武虎「でも偉いねぇ、君達。こっちはクリスマス目的だけど、そっちはお父さんの為にでしょ?」
月草「それはまあ……椿木が母さんの作っていたクリスマスケーキを駄目にしちゃったんで」
椿木「だってあの時は壱パパが白ママを襲おうとしてたからぁ!」
滴「夫夫でも襲われるんですか?」
白「俺が何かしらやらかした時ね」
武虎「やらかしちゃったの?」
白「いんや。珍しく俺の上で寝そうになってただけ」
滴「お仕事が忙しかったんですね」
月草「それで誤解した椿木がキレて、その場にあったケーキを武器代わりにして父さんに投げつけて……」

白「避けられたけれどね」
武虎「過激だねぇ」クスクス
椿木「で、でもっ! どさくさに紛れて白ママにチューとかしようとしてたもん! そう見えたもん!」
武虎「そなの?」
白「いやいや。あの人、子供たちがいる前でそういうことしないから」
滴「しないんだ……」
武虎「シキは所構わずだからなぁ」
月草「こんなんだけど、少しは反省してるんですよ」
椿木「むうう」
白「よしよし。それじゃあ、仕上げは俺に任せなさい!」
滴「かなりぐちゃぐちゃだけど、大丈夫かな。それと俺のチーズケーキ……」
武虎「スポンジの上の生クリームがぐちゃついてるだけだし、白ちゃんなら大丈夫っしょ。こっちは俺が手伝うからさ♪」
白「じんぐっべ〜♪ じんぐっべ〜♪ ふんふんふ〜んふふ〜ん♪」

 

 

 

〜その頃の紫瞠さん家〜

 

柳「はっくしゅん!」
海「おや、寒いですか?」
柳「ううん。寒くはないけど……ねぇ、海さん。そろそろ服を着たいんだけど……」
海「それは駄目」
柳「ふぎゃあ〜!!!」

 

 

 

〜その後の葛城さん家〜

 

シキ「なんだか甘い香りがするね」
滴「あ。おかえりなさい、シキ」
シキ「ただいま、滴。お客様がいらしていたのかな?」
滴「うん。皆でケーキを作っていたんだ。俺もチーズケーキを作ったんだよ」
シキ「それはそれは……私も頂くことが出来るのかな?」
滴「少しだけ焦げちゃったんだけど、武虎が上手くデコレーションしてくれたんだ」
武虎「私は少ししか手を加えていませんよ。殆ど滴様お一人で作られました」
シキ「では、折角の聖夜だ。皆で頂こうか。いいな? 羽柴」
滴「シキ……」
羽柴「喜んでご一緒させて頂きます」

 

 

 

〜その後の炬さん家〜


椿木「壱パパ……食べてくれるかな……」ドキドキ
月草「その前に、あの時のことちゃんと謝れよ」
椿木「それはぜ〜ったいに嫌!」
悠壱「ただいま戻り……」
白「めりくり〜♪」クラッカーをパーン!
悠壱「……今日は誰かの誕生日でしたか?」
白「どっかの誰かは誕生日だろ。それより、ほら。席に着いた、着いた!」
悠壱「これはまた、豪勢に作りましたね」ご馳走がズラリ
椿木「壱パパ!」
悠壱「はい」
椿木「そのっ……ケーキ、た、食べてね……」
悠壱「ケーキ? ああ……」綺麗にデコレーションされたクリスマスケーキを見る
月草「初めて作ったから、あまり美味しくないかもしれませんが……」
悠壱「お前達が作ったのですか?」
白「そうだよ。ほら、皆座った、座った! 折角のご馳走デーなんだから、思い切り飲み食いしようぜ〜! かんぱ〜い!」
月草「ちょっ、早えよ! 母さん!」
椿木「あ! 僕、コーラ飲みたい!」
悠壱「その前に着替えます」
白「めりーくりすまーす!!」

 

 

 

えんど!!

 

 

 

追記:思いつきで書いたクリスマスSSSです♪

とってもお久しぶりの投稿となりましたが、少しでも楽しんで頂けたなら嬉しいです(*^^*)