2021年の総括と御礼
今年は仕事が格段に忙しくなり、なかなか創作時間が取れずにいました。
後半になってようやく生活のペースがつかめてきて創作の「勘」を取り戻した感覚はありますが、来年は来年でどうなることやらという感じです。引き続きマイペースな更新におつきあいいただけたら幸いです。
今年一年の創作を振り返りますと、まずは「終の棲家」から始まったようです。
https://fujossy.jp/books/20450
ボーイズとは言い難い五十路の男性たちの、エロどころか明確なラブシーンもない、地味な作品ですが、私としてはかなり気に入っている作品です。淡々とした日常を「愛しい誰か」と積み重ねていくことの尊さを書きたくて書きました。
続いて、「恋するハソラン ~Shall we dance?~」を書きました。
https://fujossy.jp/books/20840
こちらは既存作に大幅に加筆修正したものとなります。
元の作品はごく短くて、同人誌にした際に後日談の小冊子をつけていました。こちらはそれに更に倍以上の加筆しました。
加筆部分に関しては結構悩みました。着ぐるみの中の人のラブコメ、という位置づけで書いていた前作からだいぶ遠いところに着地してしまったからです。羽空市という架空の都市のこととはいえ「パートナーシップ条例」という現実社会のタームが入っていて、それらは読書の醍醐味であるところの良い意味での「現実逃避」の妨げになるだろうと思いましたし、こういったある種の時代性を背負うテーマを据えると、その世界観があっという間に陳腐なものになってしまいかねず不安でした。でも、だからこそ「今」書いておきたいとも思いました。
あとは「掌編」などをちょこちょこっと更新しましたが、ごく少数しか書けませんでした。もっと書きたかったのですけれど。
そして、「その恋の向こう側」です。
https://fujossy.jp/books/1557
上では「終の棲家」から書き始めた、と言いましたが、正確には「その恋~」の「第935話 カルテット (7)」を元日に更新してスタートした模様です。去年は30日31日は同人誌の発送でバタバタしてた記憶しかなくて、よく書いてる暇あったな?と思うんですが、どうしてたんだろう。全然記憶にないです。
現在の最新話が「981話」なので、今年は「その恋」を46話更新したことになります。少ない。正直、年内に1000話突破するだろうと思っていました。今までの更新頻度からしたら余裕で超えているはずです。でもちょっと無理でした。ごめんなさい。忙しかった、というのも理由のひとつではあるのですけれど、和樹と涼矢の話となるともはや身内に甘えているような気分で、つい後回しにしてしまうのです。来年はもっと腰を据えてこの作品に向き合いたいと思います。
そんなこんなでバタバタはしていましたが、同人誌は「アルファとオメガの向こう側」「名残の夏の」の2冊を出しました。無配用に書いたSF短編もありますが、これはダウンロード版PDFのみでWEB公開もしていません。あ、これ明日にでもフジョさんに掲載しようかな。お正月企画として。突然の思い付き。「レプリカント・ダグ」という作品なのですが、実を言うと今年書いた作品の中でいちばん気に入っているのです。
以上、2021年の総括でした。
最後に、同人誌版「アルファとオメガの向こう側」のあとがきに書いた言葉を、こちらでも言わせてください。
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小説を発表するのは、必死に書いた手紙をガラス瓶に詰めて大海に流すようなもので、誰かがそれを見つけ、そして読んでくださるという奇跡が重なって初めて「作品」となります。
私の拙い手紙を「作品」にしてくださって、ありがとう。
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来年も引き続きよろしくお願いします。
よいお年をお迎えください。
古池十和 拝