「恋なんかじゃない」お正月🎍ミニ小説&「クロ」のイラスト第2弾♡

番外編、試しに読んで下さって、本編(https://fujossy.jp/books/21500)にいらして下さるといいなあと思いつつ♡

 

年末年始2年振りの帰省にバタバタしてて、番外編の置き場とか色々考えてる時間ももったいないので。小説だけ、置きます♡ 今も子供らが親戚たちと公園に行ってる間に更新。4日にはいつも通りに戻りますので、ぼちぼち色々整えます♡コメントの返信とかもできてなくてすみません💦 


 

【side*玲央】

 

 お互いの実家には帰った方がいいって事になって、31日から2日までは、それぞれの実家に帰る事になった。

 神月の屋敷には、色んな親戚が集まり、挨拶やら、食事会やら、まあもう、ものすごい人数が集まった。
 あっという間に時は過ぎ、2日の昼食会を終えてから、皆の引き止めをうまくスルーして、屋敷を出た。

 電車に乗って、いつもの駅へ。

 基本、オレも優月も家では人と過ごすので、電話はやめようという事になり、少し空いた時に、連絡を入れてやり取りする位。

 2晩優月と離れた。
 それだけなのに。何だかすごく、離れてる気がする。


 約束したのは、普段使う駅の南口に16時。
 一緒に神社にお参りすることになっている。


 15時半に駅についた。
 あと30分か……。早く着きすぎた。

 ――――……よくよく考えると。今までのオレって、待たせる事ばっかりで、待つことって、あんまりしてない。ギリギリにつけばいいやと思ってるから、多少の遅刻はよくあったし。……待ってるとかしなかった。まあ、ほんと、自己中な感じだったと思うけど。


 優月と付き合うようになってから、変わったとよく言われるけど。自分の雰囲気とかは、自分ではよく分からない。
 ただ。

 ――――……こんな30分も早く着くとか。これに関しては、はっきり事柄として分かるから、変わったかもなと思わざるを得ない。

 30分、駅前で待つのは寒すぎるし――――……近くでコーヒーでも……と、見回した所で。

 改札から出てきた優月とばったり会った。

「玲央?」
「優月……」

「どうしたの?」

 走ってきて、笑顔で、オレの目の前に立つ。

「どうしたのって何?」
「え、だって。30分も前についちゃったからさ、どこで待とうかなって思ってたから」

「何でお前、こんなに早いの?」
「え、だって――――……早く、玲央に会いたくて。時間は分かってたけど……なんか早く来ちゃった」

 照れたみたいな顔で微笑んでそう言って、オレを見上げてる優月に。
 何だか愛しくてたまらなくなって。


「――――……」


 ちゅ、とキスした。


「……わ。……玲央……」

 びっくりした顔をして。
 でも、すぐに、ふわりと笑う。

 多分、ほとんど駅に人が居ないから。
 まわりを気にするよりも、キスしたことが嬉しかったみたいで。


「――――……2日ぶりだね」

 嬉しそうに笑うのが、本当に可愛くて。

「オレもお前に会いたくて、早く出てきた」

 素直に、言葉が出てきた。

「うん」

 ニコニコしてる無邪気な笑顔が可愛くてたまらない。


「行こう、優月」

 その手を取って、繫いで歩きだす。

 良く手を繋いで歩いてるので、もう最近は、手を繋いでも何も言わなくなった。きゅ、と握り返してくるのが可愛いなと、毎回想う。


「実家、もちろん、楽しかったんだけどさ……玲央が居なくて、寂しかった」
「――――……ん」

「昼間はわいわいやってるから、そこまで寂しいとかしゃなくて慌ただしく過ぎてくんだけど」
「夜、寂しかった?」
「……うん」

 見下ろして聞くと、優月が頷く。


「――――……夜は1人で静かだったから……一番玲央の事、思い出してた」

 優月が言ってるのを聞きながら、信号で止まる。
 この道も人も車も少ないし、信号で止まってる歩行者もオレたち以外には居ない。


「優月」

 呼びかけると、すぐに振り仰いでオレを見る。
 その唇に、またキスして。


「早く、初詣行って、帰ろ。――――……くっついて、めちゃくちゃ抱きたい」
「――――……っ」

 あからさまに誘うとそうなるのは分かってるんだけど。
 真っ赤になって、ん、と頷いて、そのまま俯く。

 それ以上は言葉が出てこないけれど。
 きゅ、と指を握られる。


「……優月、何をお願いするか決まってる?」
「ん。大体は決まってるんだけど……玲央は?」
「オレも大体決まってる」

 オレがそう言うと、優月は、そっかと頷いて。
 それから、少し経って、クスクス笑って、オレを見上げた。

「……でもオレの願いは、自分で叶えるものな気がしてきたかも」
「――――……それ言ったら、オレもそうだな」

「やっぱり神頼みは今まで通り、健康面にしようかなぁ……」
「今までそうなのか?」
「うん。皆、元気が一番かなって」
「じゃあそうしたら」
「……うん。そうする」

 頷いて、優月がまた、ふふ、と笑った。

 
「……じゃあ、自分で叶える方は何?」

 オレが聞くと、優月は少し黙って。
 じっとオレを見上げてから。


「――――……玲央とこのまま一緒に居たいなーって」

 そんな風に言う。

 まっすぐだなー……優月。
 思わず、くす、と笑ってしまう。


「それは、オレが叶えてやるよ」

 思うままにそう言ったら。
 優月は、数秒黙って、オレを見つめて。

 それから、めちゃくちゃ嬉しそうに笑った。


「じゃあ、玲央のも、オレが叶えられることがあれば言って?」
「――――……んー……じゃあ」

「うん?」

 楽しそうな笑顔でオレを見上げてる優月に。
 もう、オレも笑顔しか、出てこないし――――……。


 こんな風に笑ってンの、実家に居た親戚とかに見られたら、二度見三度見されそう……。とか、思いながら。


「オレの側から離れないこと」
「――――……」

「叶えてくれる?」
「――――……うん」

 一度頷いた後。
 また、うんうん、と頷いてる。


「絶対叶える」

 ふ、と笑って、オレを見上げてる。
 そこで、ちょうど、神社の入り口に立つ。


 2日の午後。
 小さな神社はそんなに人も居なくて静か。

 繋いでいた手は解いて、軽く礼をして中に入る。
 手水舎の水で両手を清めて、口をすすいで、進む。

 数人並んでいたので、一番後ろに並んで、ふ、と見つめ合う。


「オレ、去年のお正月は、玲央の事、知らなかったんだよね」
「……ん」

「――――……良かった、知れて」
「そーだな……」

 多分、優月と会ってなかったら。
 ――――……オレ、多分、前のまま、だったろうな……。


「玲央が居てくれて、嬉しい」
「――――……」


 抱き締めてしまいたいけど。
 家までは、少し我慢。……何となく。神社だし。キスしたりはやめとこう。
 


 少しずつ前に進みながら、何気ない会話をしながら。
 新年、初デートが神社なのも、なんかいいよなぁと。

 

 やっぱり、今までのオレっぽくはない事を、すごく思っていた。

 

 

 

 


◆ ◆ ◆ ◆ ◆

おしまい♡

 

 

 

 

 

それから。
可愛いので、皆さまにも、お見せしたくて~~(*'ω'*)♡

「恋なんかじゃない」の「クロ」の第2弾をお年玉で頂きました🐯🌟
Kyonさんから♡https://estar.jp/users/170798558

だっこしたい💖💖

「光」というタイトルだそうです♡ ぴったり……♡

 

 

 

小説読んだ&クロ可愛い♡

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