またもや抜けてたところを修正

ラスヴァンが孤児だったという文章を入れ忘れていました。すみません。

 

『2.手のひらと文字』

描き直しました。

 

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 ジェイスはリュックからはみだしていた、一枚の手のひらほどの煤けた札を取り上げ、彼に見せた。

 

「……これに、『ラスヴァン』って書いてありました」

 

 おそるおそる差し出すと、ラスヴァンは目を細めてそれを受け取る。

 じっとまじまじと見つめ、指先で文字をなぞった。その札は、木を削って作られた簡素なものだった。

 まるで焼きごてのように、名前が浅く刻まれている。  リュックにしまいこんでいたのは、持っていることで過去を思い出してしまうからだったのかもしれない。

 

 これは、孤児として施設に引き取られた時、職員に名前を間違われぬようにと渡された「識別の札」だった。  誰に呼ばれるでもないその名前を、ラスヴァンはいつしか音としてしか覚えなくなっていた。

 

「……へえ、これが……オレの名前か」

 

「……えっ、知らなかったんですか!?」

 

 思わず身を乗り出すジェイスに、ラスヴァンは肩をすくめた。

 

「知ってた。音では。でも……字が読めない」

 

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こんな感じに修正しました。

失礼しました。