ツーリスト 9
ツーリスト 9
こんなはずじゃなかったと、閉じ込められた空間で、出ない答えに頭をひねる。
キャビンアテンダントが優雅だけど、どこかロボットのように動く空の上、
ぐるぐる回った思考は止めるすべもなく流れていく。
彼の頭が斜め前にふいにスッと立った。トイレに行くのか、隣のやつはどきもせずに彼の腰を支えるように手を出し、自分の太ももを、超えるように促している。
完全に頭にきた俺は通路に出てきた彼の腕を掴んで尾翼の方向のトイレまで一気に歩く。
やめてよ、小声で言う彼の文句なんか聞いてやれない。