ボーイさんとミニ掌編(探偵×刑事)

寒くなりました。

探偵と刑事の本編(現代版)、つい最近書いた気がしていたのだけど、二週間くらい前なのですね。

時間の早さに驚いています。また、ぼちぼちマイペースになりますが、書いていきたいです。

 

最近書いたミニ掌編とイラストを載せます。

 

たまにはセクシーめなハイドさんを、と思い、クラブのボーイさんふうで描いてみました。

探偵の仕事で潜入しているのでもいいかも。

 

ミニ掌編は、↓ウィルクス君にゲイポルノが見つかっちゃったハイドさん。

 

 大掃除の最中、背中を向けて窓を拭いていたシドニー・C・ハイドは、テレビ周辺を片付けていたパートナーの青年、エドワード・ウィルクスが固まっていることに気がついていなかった。
「……シド、あの、これ」
 ウィルクスが低い声でそう言って、ハイドは振り向く。首をかしげると同時に、ウィルクスが両手に持っているものを見て無言になった。
 彼が持っているもの、それはゲイポルノのDVD。犬の耳や首輪をつけ、ボンテージに身を包んだ長身痩躯のハンサムな青年が、大人の玩具(紫色のディルド)を手にはにかみながら微笑んでいる姿が写っている。そんなパッケージにはこんなタイトルが記されていた。
 “Fucked Animal Dog Therapy Ver.”。その横にくっきりと「調教編」の文字。
「あなたのですか?」ウィルクスは真顔でありつつ、やや驚いていた。
「あなたはヘテロなのに、ゲイポルノなんて、なんで……」
 ハイドは正直になろうと決めた。
「このボトム役の俳優、きみに似てる気がして。だから買ってしまったんだ」
 ウィルクスは眉を吊り上げ、鋭い目をして顔をかすかに赤らめた。
「おれ、こんなに可愛くないですけど……」
「いや、それが似てるんだよ!」ハイドは腕まくりして雑巾を手にしたまま、力説する。
「凛々しくて男前なのにはにかみ屋で。感度がよくて淫乱で、いじめられてさらに懐く。アッパー役の男に責められながら『あなたの犬になりたい』って懇願するところとか……その健気さに思わずグッときて目頭が熱くなってしまった」
 ポルノの見方がおかしいですよ、とつっこむウィルクスは気にせず、ハイドは淡青色の瞳を輝かせる。しみじみ続けた。
「すごく似ててね……。ぼくは根がヘテロだから興奮しないかなと思いながら買ったけど、なかなか……。きみがいないときはこの子のお世話になってるよ。可愛くてね。もしきみと別れることがあれば、うちにお嫁に来てもらいたいな……」
 そこまで夢見がちでつぶやいていたハイドは、しかしはっと我に返った。ウィルクスがDVDのパッケージをハイドの逞しい胸に押しつける。
「勝手に嫁に来てもらったらいいでしょう」
 そう言ってそっぽを向いたウィルクスに、ハイドは焦った。手が汚れているため抱きしめることも躊躇し、両手を挙げたままおろおろする。
「エド、ご、ごめん、怒ったか? たしかにきみに似てるけど、代わりにはならないよ。もう絶対、きみ以外の男でヌかないから。きみがいないとだめなんだ。これからもずっとぼくの奥さんでいてくれ」
 ウィルクスはハイドに背を向けたまま、黙ってくすっと笑った。相反する怒った声で、「約束ですよ」と言う。
「うん、約束する」
 必死な夫の声を聞いて、ウィルクスは口の中を噛み、笑みを抑えた。しかし幸せな思いは膨らんでいく。
「あっ、エド、笑ってる?」
 嬉しそうなハイドの声にウィルクスは我慢できなくなり、振り向いて彼の唇に口づけた。
 安心したハイドは思わず「いっしょに観ようよ」と言った。ウィルクスは眉を吊り上げる。
 自分が出演しているわけでもないのに、「恥ずかしいからヤです」と答えた。

 

 

あと、男性も妊娠したら、な設定のHW↓

苦手な方はご注意ください。

(妊娠可能という設定で、実際にはまだ妊娠してないです)

 

◎もし男性も妊娠したらな探偵×刑事◎

「じゃ、じゃあ、今夜はゴムなしでするからね」
 いつも穏やかで優しい顔を強張らせ、パートナーにのしかかりながらシドニー・C・ハイドが言った。十三歳下の結婚相手、エドワード・ウィルクスは夫を見上げて、これもまた緊張した面持ちになる。
 今夜は月に一度のゴムなしの日。ウィルクスが妊娠する可能性がある、ということだ。
 ハイドが緊張したまま、大柄な体でのしかかる。悲壮感すら漂っていた。ウィルクスは裸でベッドに横たわったまま、指の背で彼の頬を撫でた。
「……シド、嫌ならむりしないでください。あなたは、自分に子どもができるのが怖いんでしょう?」
 ハイドは覆いかぶさったまま、目を泳がせる。
「で、でも、せっかく夫婦になったし……」
「せっかくだからで子どもつくることはないですよ。あなたは気にしてくれるけど」そう言って、ウィルクスは優しく夫の頬を撫でる。
「おれ、別にそこまで子ども欲しくないし。あなたさえいてくれたらいいんです」
 甘い笑顔でささやくウィルクスに内心救われつつ、しかしハイドは思いつめた目をしていた。
「でも、ぼくの遺伝子ときみの遺伝子、そのミックスがぼくらの子どもってことだろう? つまり、愛の結晶だよ。美しく言えば。ぼくの遺伝子ときみの遺伝子の結晶を後世に残すことが、つまりぼくら亡き後もぼくらの愛を存続させる方法で……」
「シド、シド」
「そ、そんなふうに考えてたら頭がおかしくなりそうだよ……!」
「落ち着いて。今夜は大丈夫だから、ゴムつけてしましょうね」
「う、うう、ごめんねエド……」
 いいんですよ、と言いながら、ウィルクスは少し照れた顔になる。
「……ゴムをつけてもいいってなると、あなたは途端に荒々しくなる。だからおれ、ゴムつけてるままで……」
 ハイドは聞いていなかった。ナイトテーブルの引き出しをごそごそ引っ掻きまわし、コンドームの箱を取りだしながらつぶやく。
「きみとぼくの子か……。あー、でも、可愛い女の子だったらいいなあとは思うな……。『大きくなったらパパと結婚するの!』なんて言って……ぼくと娘できみをとりあったりして」
「なかなか幸せそうな妄想じゃないですか」
 笑うウィルクスに、ハイドはため息をついた。
「もしそうなったら……おれは頑張って生きるよ」
 そうしてくださいと言いながら、ウィルクスは夫の首に腕をまわした。

 

たまには甘い話も書きたくなります♡