そのうち連載予定 愛 iターン
#紅のモエキュンSS
という絵師紅さんの企画に便乗して
連載しようかと思っている
愛 i ターン に登場する2人でSSを
ツイッターではなかなか読んで貰えないのでこちらにもアップ
紅さんありがとうございます。
絵の方はハッシュタグで
沢山の方がSS書いてられるので見てください〜
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なんで声をかけなかった、
なんで……
と混乱しながら、自宅に戻る、
電気も点けずに廊下のドアを開けると、
直ぐのキッチンのカウンターの上に一昨日から置いたままの鍵が目に入り、
暫し、その鍵から目が離せなかった。
何分そうしていたんだろう。
軽くドアがノックされ、振り返れば
あいた玄関ドアに一登が立っていた。
「なんだよ、電気も点けずに」
シルエットで俺だとわかるのか
一登が不審そうな声で尋ねてきた。
「あ、忘れてた」
と答えにもならない言葉を返しながら
パッと点いた廊下のダウンライトに目を顰めていると、
靴を脱いで部屋に入ってきた一登が
キッチンのカウンターの上の鍵を見つけて
「サンキュー、この鍵ごめんな
ポケットに入れっぱなしだったんだな」
と鍵を手に取り、
ドア枠にもたれ、俺の顔をじっと見つめてきた。
どこの鍵?という一言が言えない俺。
どうしたんだろ?聞きゃいいじゃん。もう1人の俺が突いてくるのを
感じながら
「ああ、洗濯機の中で音がしたから、わかったんだよ」
暫く俺を見つめてた一登が俺から目をそらし、
「洗濯物ありがと、持って帰るよ」
という言葉に愕然とする俺。
「え?いつもの置いてあるやつじゃん」
と強めに返すと、
「うん、ちょっとね、置いとかないといけなくなった部屋が 」
その先を聞きたくなかった俺は徐に紙袋を出すと、昨日幸せな気持ちで畳んだ洗濯物をその中に入れた。
そのまま渡すと、あっさり受け取った一登は、
「今日は俺、これで帰るから」
と告げ、呆然とする俺に気がつかないのか、部屋には5分も居ずに帰って行った。
俺はこの日、この夜から、
平常な気持ちでは居られなくなった。
あれから会社で部署の違う一登とは、俺が会いに行かないと会えない事が響いて、
勿論営業の一登は法務部に用がある事もあるのに、なぜか俺の居ない時に来ているようだ。
たまたま?わざと?
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