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【過負荷】破壊と再構築を繰り返したその先は?
冒頭は、記憶の失くした男が目覚めるところから始まるのだが、非常に掴みが上手くて、ぐいぐいと物語に引き込まれてしまった。
ノンケであるはずの男は、記憶をロストしている間に、どうやらバンド仲間の「彼」と爛れた関係に発展してしまったらしいのだ。
そして、驚くことに、美男子の彼には、蠱惑的な妻までもいて、彼等の関係を容認しているようなのだ。あまりにもインモラルな状況に、常識的である私たち(読者)は困惑してしまうかもしれない。
けれど、バンド仲間の彼にも一言では言い表せない複雑な事情があるのだと、後に知ることとなる。
必然的で依存的。痛々しくて官能的。
皮肉なことに、この苦痛こそが彼を輝かせているのである。
この物語では、登場人物たちの絶妙なバランスで成り立つギリギリの日常が描かれる。ピースが1つでも欠けてしまえば、この日常は呆気なく崩れ去ってしまうだろう。
記憶を失う者、心を磨り減らす者。
何度も繰り返される二人の関係の破壊と再構築。
「愛」と呼ぶには、あまりにも破滅的で閉塞的。しかし、その危うく、息苦しい関係だからこそ、私には尊く思え、酷く惹き付けられてしまったのだ。
誰でもひとつくらい胸に隠す、切ない不器用な若き日の恋愛。そして優しい結末に涙
ぎこちなく恋を始める微笑ましい二人ですが、執着と束縛でお互いの生活を狂わせていきます。
お互いに好きなのに、好きだからこそ、うまくいかない。そんな恋の思い出のひとつやふたつ、隠し持っている方は多いのではないでしょうか。
この物語では、主人公は、彼との関係から逃げ出します。すれ違いで、彼にきちんとお別れも言えないまま離れ離れになるという第一部(優しい夜は僕に愛想を尽かした)の終わりはリアルなビターさを帯び、胸に迫ります。
しかし、この物語は、第二部で、読者を優しく包み込みます。
大切だったのに失敗してしまった。
二度と会えないと思っていた。
だけど忘れられなかった。
思い出の彼と主人公は、遠い土地で再会します。離れている間も互いに忘れることはなく、関係を再構築するところにグッと来ます。さらなる試練が待ち受けていますが、愛の絆で乗り越えていくところが素敵です。
彼の故郷の桜をめぐる2人の会話や思い出にまつわる情景描写が美しく、そのシーンをイメージした表紙を作者mana様にお贈りしました。(気に入っていただき、表紙に採用いただけてファンとして身に余る光栄…!!)
若き日に失敗した恋の思い出、
そして、もしその恋を大人としてもう一度やり直せたら…という密かな願望を抱く全ての大人達に、優しい夢を与えてくれる物語です。
逢魔が時 人を喰らうはのレビュー
ご注意ください。こちらは闇の腐女子さん向けの作家さんです。
決してライトでポップなあまあまBLではありません。どちらかというとお耽美系でしょうか。医者・屋敷・幽閉・美青年等の言葉にビビッとくるかたにお勧めです。
私は漢字が大好きなので、がっつり漢字を使っているところが気に入って読み始めました。
途中で闇の腐女子さんむけのお話であることに気づきましたが、ミステリアス&ホラー感が強く、続きを確認したくて、引き返せずに読破してしまいました。
結果、光の腐女子である私はしばらくモヤモヤするハメになりました。このモヤモヤ感が好きなひとに、お勧めなんです。
あとこちらを読んだあとは、この作品に関係してきます『Re do/リ・ドゥ』も、お口なおしに読むことをお勧めします。そちらも「闇」っていますが、噴き出してしまうようなHシーンがあります。「●●●を●った●●」が好きなかたにお勧めです。しばらく苦笑――、ではなくてニヤニヤがとまらないかもです。
いびつな恋の檻の中のレビュー
昨日コメントを挙げた者です。ユーザー登録をしましたので、もうちょっと・・。今後の作品の中にこういう登場人物を使っていただけないかなぁ~と思いまして。長らくBL作品を手に取っていて、当初から「?」と思っていることがあるんです。上手く書けるか自信がないですが・・。BL作品の中に女性蔑視と感じさせる言葉遣いが多々見られます。「女みたい」「メスいき」がそれですね・・。それを見るたび「あんたたち、そんな女性のお腹の中でなければ大きくなれなかったくせに」と思う訳です。生きとし生けるものすべてが「女」或いは「メス」のおかげで存在していますからね。もう1つ「犬」「豚」という生物に関しての蔑視思考です。私たちはたまたま「人」として生まれましたけれど生物に上下関係はありえません。(あくまで私見です)勿論、地球上で一番の知的生物である私たち人間が、例えばペットとして犬を飼う事になれば人間社会で上手く生きられるように躾を施したりしますが、それはたまたま地球が「人間社会」で成り立っているからですね。豚にしてもそうです、私達が生きる糧にしているだけの話しです。こういう思考を持ち合わせている男の子を、BL作品の中で見たことがありません。是非「人間至上主義」「男性至上主義」でないのに「攻め」というキャラクターを書いていただきたいです。
ヒュアキントスの影を追えのレビュー
ギリシャ神話のヒュアキントスとナルキッソスという美少年の神様から着想を得たお話です。
羽生橋さんが書かれるお話の中で、エロシーンが多めのお話でした(当社比…ですね!)笑
でもそのエロシーン1つ1つを短時間で書き上げたのはすごいですーっ!
ねじめの頭の中の立て付けの非常に悪い、引き出しを直してくださるかのような言語力、語彙力…
ヤバイ!すごい!何それー!エッチ!と終始ねじめは頭の悪い言葉しか出てきませんでした。さすがですっ!
お話の各タイトルも非常に素敵な言葉が集められていてキラキラしてます!
直情的なねじめのレビューでは、全く素晴らしさは伝わらないと思うので、まずはご一読くださいー♬
表紙のイラストもご本人が書かれてるんですよ〜!ハイスペック!!