官能と愛憎、一筋縄にはいかないSM。そして垣間見える…
官能を扱った小説ということで導入させて頂いたのですが、期待を裏切らない知性溢れる流麗な書き口です。 交合の場面では、特にそれが官能の刺激を意識しているように、濃密な描写が際立ちます。 あと、作者様自身が和のものがお好きなのか、家の造り、風景、着物や小物などの描写も秀逸で風流かつあでやかな世界にうっとり浸ることが出来ます。 SMがテーマだということで、通常?の美丈夫にいたぶられる美貌の青年かと思いきゃ、裏設定の能力による、いや、私は要さんの本来の性質かと思うんですが、操者が実は要さんだというところが絶妙です。 そして品のある文章のなかに不意に現れる可笑しみ…。これはひとえに作者様自身の漏れ出てしまうユーモアによるものでしょう。 官能、愛憎、ユーモアが愉しめる奥深い作品です! 果たして一樹さんと要はつつがなく結ばれるのか。 その後いただけばいいや、とほくそ笑む充より、 酷くして下さいとうっとりする要に、やっぱり一筋縄ではいかないそうな(縄って辺がSM的にも) 不穏な余韻が残るラストも惹かれるところでした!