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愛寵
何か抗議してくるであろう唇を自分の唇で塞いで、新は右手をゆるゆると上下に動かし始めた。
「んん……っ!」
遥翔の身体がビク、と跳ねたが新は構わず右手を動かし続け、何度も角度を変えながら、まるであやすように優しく唇を食み、時折舌を射し込み歯列をなぞった。
「はっ、あ……ん、んっ!」
力が抜けて倒れそうになるのを、新にしがみつく事でなんとか堪える。
新の手が動く度、自分のと新の裏筋が擦れて堪らなく気持ち良い。
一体どんな状況になってるのかと視線を落とすと、新の大きな手に包まれた2本の先端から、透明な蜜が溢れては流れ落ちていた。
「ハル…ん、すごい…気持ち良いよ…」
少し掠れた声で、今まで見た事のない色っぽい表情を浮かべる新に遥翔の胸がキュッとなる。
一人で処理する時にする事を2人でしてるだけなのに、新としているというだけで幸せで気が遠くなる。
「ふ、ぁ…っ、ンッ!や、も…あら、たぁ…っ!」
「ん…?イキそう…?腰、揺れてる。僕も、イキそう、だから…一緒に、ね…?」
「ん……っ」
あと少し刺激されたらイってしまいそうで、遥翔は何度も小さくコクコクと頷いた。
「ハル……大好き、だよ…っ」
「あ、ああっ!」
「……ん……っ!」
耳元で囁かれるのと同時に一気に動きを早められ、2人はほぼ同時に白液を吐き出した。
「は……っ、はぁ…っ」
「はは…、お互いドロドロになっちゃったね…。」
新の肩口にボーッとする頭を乗せながら下を見ると、お互いの出したものでお互いの腹を濡らしていた。
(俺、この後、新と…する、んだよな…。)
新を受け入れられるだろうか。
もし新のが入らなかったら?
呆れられやしないだろうか。
やっぱり男とは出来ないと言われたら…。
そう思ったら急に不安がこみ上げて来て、顔を上げられなくなってしまう。
「待ってて、今タオル持ってくる。」
「え、ちょっ、新…っ!」
ベッドから降りようとした新の腕を咄嗟に掴む。
「ハル?」
「……いのかよ。」
「え?」
「だ、から…っ、最後まで、しないのかって…。」
やっぱり男とは無理だと思ったのだろうか。
ドクンドクンと不安が心臓を叩く。
消え入りそうな声で、泣きそうな顔で見上げてくる遥翔に、かろうじて繋がっていた新の理性の糸がプツリと切れた。
「ああもうだから…っ!」
「っ!」
苛立ちにも近い声を放ちながら、新は遥翔を再びベッドに押し倒し、深く口付ける。
「んっ!ん、ぅ…はっ……ん」
執拗に咥内を舌で犯されてから、ようやく唇が離れる。
「……初めてだから、ちゃんとゆっくり念入りに解して痛くないようにしようと思って!だから一旦クールダウンしようと思ったのになんでそうやって煽るの?酷くされたいの?僕にハルを傷つけさせたいの?」
「新……」
新の熱い吐息に、遥翔の心臓が更に強く脈打つ。
怒っているような、けれどどこか泣きそうな新の頬をそっと撫でる。
「俺、は……お前になら、何されてもいいと、思ってるよ。例え傷ついても、お前がつけた傷なら嬉しい。」
「……っ!…………ハルのバカ。いっつもそうやって、結局僕を甘やかすんだから…。おかげでちょっと冷静になれた。安心して、絶対傷つけないから。」
頬を撫でる遥翔の手に、チュ、と唇を押し付ける。
「このまま、して、いい……?」
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