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最終バス 1
時刻表通りに来た最終バスに乗った俺は、いつも通り空いていた一番後ろの座席に座る。
それほど混んでいない車内の乗客の顔ぶれはいつもとほとんど変わらない。
多分終点まで乗っていくのはいつも通り、真ん中辺りに座っている中年サラリーマンと後ろの方の男子学生と俺の3人だけだろう。
この辺りは田舎で、車は一家に一台どころか大人の人数分だけあるのが当たり前のような土地柄なので、俺も普段は勤務先の工場まで車で通勤しているのだが、金曜日だけはバスを使うことにしている。
金曜日は仕事が終わった後、仲のいい同僚たちと工場近くの飲み屋や独身寮に入っているやつの部屋で飲むことが多いからだ。
最終バスは深夜料金で割高だが代行運転を頼むよりは安いし、俺が降りるのは終点なのでもし寝てしまっても乗り過ごす心配はないので安心して乗っていられる。
「ふぁー……」
暖房で足元が暖かい座席に座ると、さっさく小さなあくびが出た。
今日は北陸に出張していたやつの土産の地酒が美味くて少し飲み過ぎたから眠い。
少しだけ、と思いながら俺は目を閉じた。
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夢を見ていた。
自分の部屋でエロ本を開いて右手で股間のモノを握っているという、なんとも現実的な夢だ。
浅い眠りで夢と現実が入り混じったような感覚だったので、現実の俺は「そういえばしばらく抜いてなかったな」などと考えている。
夢だからなのか、夢の中の俺はいつもとは違う触り方をしていて、それがすごく気持ちがいい。
まずいな、これ。
ほんとに勃ってなきゃいいけど。
すいているとはいえバスの車内で勃起してしまっていたらまずいなと思っているうちに夢の中の風景が薄れ、目が覚めていくのを感じた。
風景は薄れていくのに、体の快感だけはそのまま残っているのを少し不思議に思いながら、ゆっくりと目を開ける。
勃ってないよな、と確認のために自分の股間を見た俺の目に飛び込んできたのは、勃っているどころの騒ぎじゃない、とんでもない光景だった。
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