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最終バス 2☆

 閉まっていたはずのズボンのチャックは全開で、そこからはしっかりと屹立した俺のモノが出ていて、それは夢の中と同じように右手でしっかりと握られ擦られている。  夢の中ではソレを握っていたのは俺の右手だったのに、夢から覚めた今、ソレを握っているのは俺のものではない右手だった。  えっ、なんだこれ!? まさか痴漢なのか?  俺は痴漢されるような可愛い女の子じゃなくて、おっさんといわれる年代に片足を突っ込みかけているごく普通の容姿の男なのだが、それでもバスの車内で陰部を露出され触られているのだから、やはり痴漢に遭っているとしか言いようがない。  ギョッとして完全に目が覚めた俺が恐る恐る右側を見ると、妙に真剣な顔をした男が俺の勃起したモノを握っていた。  ……なんだよ、こいつ!  ほとんど反射的に男の手首を掴み、俺のモノから手を離させようとしたが、そうすると男は俺のモノを握る手に力を込めた。 「うっ……」  力を込めたと言っても、痛みを感じるほどに強い力ではなかったけれど、それでも男のその行動は急所を他人に握られているのだということを俺に気付かせた。  恐怖に身をすくませた俺に、俺のモノを握っている男が抑えた声で話かける。 「静かに。  おとなしくしていてくれるなら、ひどいことはしません」 「……十分ひどいことをしてるじゃないか」  恐怖はあったが、男のプライドもあって口答えすると、男は意外にも「そうですよね、すみません」と謝ってきた。  痴漢なんかしてくる割には弱気だな。  なんなんだ、こいつ。  よくよく見れば、男はいつも俺と同じ終点で降りる学生らしき奴だ。  俺がバスに乗った時にはいつものように俺より少し前の席に座っていたはずだが、俺が居眠りしているうちに一番後ろの席に移動してきたらしい。 「……っ!」  突然、男の手がまた動き出して、俺は口から出そうになった悲鳴を必死で嚙み殺す。  もう終点が近いようで、乗客は俺たちの他は真ん中辺りのサラリーマン1人だけだが、それでも声を挙げれば今の状況を乗客や運転手に知られてしまう。  俺は被害者だけど、バスの車内で勃起したモノを出していれば、俺の方も犯罪者として捕まりかねないから、他の人に知られるのは避けたい。  あと5分かそこらで終点だよな。  バスが停まったら、さすがにこいつもやめるだろうから、それまで少しだけ我慢していれば……。  週に一度バスで顔を合わせるだけの他人、しかも男にこんなことをされるのは嫌でたまらないけど、自分が犯罪者にされることを思えば我慢していた方がましだ。  そう考えた俺がおとなしくしていると、男の手つきは次第に遠慮のないものになり始めた。  くっ、ヤバい……。  痴漢行為をするようなやつだからなのか、男の触り方は的確な上にねちっこい。  自分でする時は早くイキたくて感じやすい裏筋を集中的に触ることが多くなりがちなのだが、こいつは俺を感じさせるために裏筋や先端の敏感なところを触りながらも、俺のモノの形や硬さを確かめるように全体をゆっくりじっくりと触ってきたりもして、それが焦らされているようで変に感じてしまう。  くそっ、なんで痴漢なんかに触られて感じてるんだよ!  男の生理でソレを擦られれば感じてしまうのは仕方がないのはわかっているけれど、それでもやはり悔しい。  イキたくなくて歯をくいしばって快感に耐えているけれど、次第に射精感が高まっていくのをどうすることもできない。

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