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バレンタインの日
今日はバレンタインデー。
お花屋さんのボクん家はプレゼントの花束を買いに来てくれるお客さんでいつもよりちょっと忙しかった。このお仕事はとくべつな日に気持ちを伝えるお手伝いが出来るのが素敵よねってお母さんが言う。
だけどお花はやっぱり脇役で、バレンタインの主役はなんと言ってもチョコレートだ。だからお兄ちゃんのお店はクリスマスのときに負けないくらい忙しくなる。
とくに少し前にショコラティエの西田さんのチョコレートが雑誌で紹介されたおかげでお兄ちゃんのお店は凄い人気なの。イケメン店員みんなの写真が載っちゃったからお店はますます忙しくなっちゃった。
忙しすぎてお兄ちゃんが病気になったりしないか心配なくらい。お兄ちゃんのためにボクになにか出来ることはないのかなぁ…。ボクは一生懸命かんがえてみたんだ。
お兄ちゃんのお店にCLOSEDの札が掛けられたのをかくにんしてボクは準備に取り掛かった。
おこづかいで買ったボクの好きな赤い包みのチョコレート。銀紙を破るとあまぁいチョコの薫りがお鼻をくすぐる。思わず食べたくなっちゃったけどガマンガマン。これはお兄ちゃんのためのチョコレートだもんね。
ボクは銀紙から取り出したチョコレートをまな板のうえにおいて少しずつ慎重に刻んでいった。
お店の片付けが終わって西田さんたちが帰ったあと、お兄ちゃんがお店においでって電話をくれた。お兄ちゃんは毎年ボクの好きなアニメのキャラクターとかの特別なチョコを作ってプレゼントしてくれるんだ。
いつもならお家まで来て渡してくれるのにきっとお兄ちゃんくたびれてるんだ…。
裏口のドアをノックしてから少しだけ開けて中を覗くと、椅子に腰掛けて休んでいるお兄ちゃんがいた。
「お兄ちゃん…」
ボクが声をかけるとお兄ちゃんはいつもの優しい笑顔と声でボクの名前を呼んで手招きしてくれた。
「ごめんね。ちーちゃん、お家まで行けなくて」
うんとくたびれてるはずなのに、そんなことを言うお兄ちゃんにボクは首を横に振ってこう言った。
「あのね。今年はボクがお兄ちゃんにプレゼントしたいの」
ときどきお手伝いさせてもらうときに使ってる踏み台に乗り、ボクはお家から持ってきた材料を調理台のうえに並べてお湯を張ったお鍋をコンロにかけて火を点けた。
練習どおりにちゃんと美味しく出来ますように。いつもお兄ちゃんにもらってばっかりのボク。なにかお兄ちゃんのために出来ることはないのかなぁって考えて、お母さんに相談して決めたの。
しんちょうにしんちょうに、焦がさないようにゆっくりと木べらでかき回す。お兄ちゃんみたいに上手なケーキやチョコレートは作れないけど、これならボクでも大丈夫!
「はいっ、お兄ちゃん」
出来上がったそれをカップに注いでボクはお兄ちゃんに手渡した。カップの中には熱々のホットチョコレートがふぅわりと湯気を立てている。
「熱いから気をつけて飲んでね」
お兄ちゃんは優しく微笑んでボクの手からカップを受け取る。
「ありがとう、ちーちゃん」
ゆっくりとホットチョコレートを口に運ぶお兄ちゃんをドキドキしながらボクは見守った。ちゃんと美味しく出来てるかな…?
「ああ…、凄く美味しい」
一口飲んでお兄ちゃんはニッコリと笑ってそう言ってくれた。
「えへへ…、よかったぁ」
嬉しくて、でも照れ臭くてお顔をこしこし掻いてたらお兄ちゃんがクスクス笑った。
「お兄ちゃんどうかしたの?」
「ちーちゃん、お鼻の頭にチョコレートが付いちゃってるよ」
そう言われて手を見ると両方の手にあちこちチョコレートが付いてた。……お手々洗うの忘れてた…。
「ちーちゃんからの大事なチョコレートだから残さずに貰わなくちゃね」
お顔を近づけてきたお兄ちゃんはボクのお鼻をペロリと舐めてこう言った。
「ちーちゃんご馳走さまでした。今日は今迄で一番嬉しいバレンタインだったよ」
*****
プレゼントも喜んでもらえてお兄ちゃんも元気になって良かった。それからボクはお兄ちゃんの特製チョコレートを貰ってお家に帰った。
お兄ちゃん特製のチョコはボクの大好きなリラックスしたくまさんの形をしたチョコで、食べちゃうのが可哀想なくらい可愛かったから、しばらくの間冷蔵庫に入れて眺めて楽しんでたらお父さんに食べられそうになってボクはあわてて食べた。
疲れてたお兄ちゃんがボクのために作ってくれたチョコレートだもん。いくら大好きなお父さんでもこれは絶対あげられないよ。
でもお父さんがお母さんににすごく怒られて泣いてたから、ボクはお父さんにもホットチョコレートを作ってあげたんだ。お父さんも美味しいって喜んでくれたよ。良かった。
今年も楽しいバレンタインデーだったなぁ。
*****
バレンタインぺろりはぶじクリア~(o´∀`)b
因みに去年のチョコはピカピカした妖獣でした!
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このお話は以前お世話になっていたサイトでのブログでポチポチと書いていたSSです。思い付いた萌をポチポチしてたのですが、書いてるうちに妄想が広がりました(^o^;
以下は妄想と言う名のたわごとということで(笑)
実は、ちーちゃん視点で書くとどうしても同じようになってしまうのでお兄ちゃん視点で書こうとしてみたのです。そうしたら24才の青年が9才の男の子をどう思っているのかマジで考えたら結構ヤバい話になりそうで……。間違ってもほのぼのにはならん( ̄Δ ̄;)!と気付きました。←イマサラカーイ!
すでに結構ヤバいじゃん!ってツッコミはしないでねー(*p´д`q)゜。
それじゃあ第三者視点にしたらケンお兄ちゃんのヤバい行動をコミカルに書けるんじゃないかしら?となると、健一のお店の従業員かな?元気のいい明るいギャルソンの男の子とか。健一のお店はイケメン揃いって設定だから、元気っ子と美人系ギャルソン二人と寡黙なショコラティエの4人くらいで回せるお店。
でもお父さんのお店を継いだんだから、立地は昔ながらの商店街が自然かな。それじゃあお隣のちーちゃん家も何か商売してるよね。地元の商店街でケーキ屋さんと関わりやすいのは八百屋さんかお花屋さんとか…?よしっ!お花屋さんにしよう。
実はお兄ちゃんはゲイでお隣に住むちーちゃんのお父さんが好きだったとか、お店のギャルソンたちの彼氏は商店街の若店主とか。小さな商店街での色々な小さな恋のお話とか書けたら面白そう……なんて、BL妄想をもふもふ膨らませておりましたがまだ全然形にはなってません。
ギャルソン君達とショコラティエさんの名前を出したのは、こんなことを考えてたりしてたからです。林くんが元気っ子ギャルソン、佐久間さんが美人系ギャルソン、西田さんが寡黙な男前ショコラティエ。お兄ちゃんの名前は宮脇健一。ちーちゃんの名前は千種 。お父さんは千尋。お母さんとは大学で知り合って学生結婚しています。
お父さんは地味な容姿だけど人を安がせる人です。お母さんはミスキャンパスな美人さんですが、お母さんがお父さんに一目惚れしてお父さんをゲットしました。ちーちゃんは容姿はお母さん似で性格はお父さん似。こんなことを頭の中でもふもふ考えているのは楽しいけど、いつかカタチに出来るといいなと思います。
ちーちゃんとお兄ちゃんはこのまま書いたら犯罪まっしぐらなので(今もすでに結構ヤバいかもっ)せめて5年…8年くらい先のお話で。
問題はこんな話に需要があるかですね(笑)
いやいや自給自足大事!自分の萌は自分で作るぅ~(。>ω<。)
………とか、言っていてバレンタインで力尽きました。パタリ…。ホワイトデーはネタ出しだけしてたの見つけました。
ホワイトデーネタ
疲れてるお兄ちゃんの家事を手伝うちーちゃん。エプロン着けてお料理。お洗濯。お掃除。それを見守り(鑑賞し)ながらちーちゃんに大人になったらお嫁さんにおいでと言うお兄ちゃんに喜んで返事をするちーちゃん。
…………ダイブヤバイトコマデイッテタァ((((;゜Д゜))))
因みに☆ケンお兄ちゃんとちーちゃん達の名前は昭和の名作ホームドラマのケーキ屋さんシリーズから拝借させて貰ってます(笑)
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