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【後日の話】 呪いの後遺症

突然連れ出された遠征から戻り、俺は唖然として口を閉じることを忘れている。 「ほら、リムも早く入って?」 手招きをされるけど……どういう事? 慣れない馬に揺られて疲れた体を休めようと、宿舎に向かう俺の体を抱えて団長が向かった先はとある一軒家。 「団長……どちら様のお宅でしょうか?」 「俺とリムの家……いや、愛の巣とも言うな」 真顔で何を言い出すんだ?この人は……。 団長とお近づきになり……お付き合いをさせて頂ける事になったけど、印象は随分と変わった。 綺麗で、頭も良くて、強くて……ずっと憧れてて、神格化していたけれど……付き合って見ると結構、馬鹿な人だと思う。 ………だけどそんなところも可愛いと思ってしまうあたり、団長に対して盲目になっているなと……末期だと自分でも思う。 きっとこの先どんな団長を見ても、彼の魅力としか見えないんだろうな。 「一応、リムの部屋はあっち」 指を指された部屋を覗くと俺の持っていた家具が配置されている。 「一応……ですか?」 一応? ひとまず……仮に……恋人(仮)……? 自分の連想ゲームに落ち込んでいると、団長に肩を抱かれ、 「寝るときも、いつでも一緒にいたいし、俺の部屋で一緒に寝てくれるよな?……リムの部屋が必要無いくらい一緒に居よう」 そ……そういう一応!? 団長と同じ布団で寝るところを想像して、ボンッと顔が火を吹いた。 「団長と……ずっと一緒……」 口元がニヨニヨと緩んでしまう。 「リム、職場じゃ無いんだから……名前で呼んでくれないか?」 そうか……。 団長って呼んだら、団長は仕事と私生活の切り替えが出来なくて疲れるよな。 「カ……カイル?」 慣れない呼び名を緊張しながら呼んでみる……と、勢いよく抱き上げられた。 「……今日は疲れているだろうから……我慢しようと思っていたんだが……そんな可愛い顔をされると我慢出来なくなるなぁ……」 胸に顔を押し付けられ……手が……手がお尻を揉みしだく。 「カカカ……カイルッ!!お風呂!汚いから!!お風呂入ってからで!!」 「お風呂入ったら良いんだな!?」 凄い勢いでお風呂を準備しに行った。 ……今のうちに逃げて……何処へ? 宿舎にはもう俺の部屋はない。 魔導士塔? 何処かの酒場で…… 「何処へ行くつもりだ?リム……」 ドアノブに手を掛けたところで、背後から真っ黒な魔力をぶつけられた。 「俺をその気にさせておいて、逃げる気では無いだろうな……」 ゆっくり足音が近づいてくるが……怖くて振り返れない。 怒ってる……お咎めを覚悟して目を閉じると、そっと背後から抱き締められた。 「……俺とするのはそんなに嫌か?」 悲しそうな声音に慌てて、首を横に振った。 「…………そうか……嫌ではないんだな?」 カイルは俺を抱き上げてお風呂場へ向かった。 「ゆっくり疲れをとっておいで」 俺を残して出ていこうとするカイルの腕を掴む。 「待ってください……一緒に……入って欲しいです……」 「無理しなくて良いんだ。これからずっと一緒にいるんだ……今は、嫌じゃないと言ってくれただけで良い……ゆっくり進んでいこう」 カイルは俺の頭を優しく撫でてくれる。 「……違うんです……嫌なのは……怖いのは…体を重ねる事じゃなくて……貴方を……はしたなく貴方を求めてしまう…あさましい自分の姿を知られるのが……怖く……ぐはっ!!」 絞め殺されるのでは、と思うぐらいに抱き締められた。 「お前は俺をどうしたいんだ!!よし!すぐに風呂へ行くぞ!」 風呂で汚れを洗い流され、着替えもせぬまま大きなゆったりとしたベッドに下ろされる。 上から覆い被さってきたカイルが俺の膝を持ち上げキスをする。 開かれた膝の間にカイルが入り込み……。 風呂で散々解され、何時でも準備は出来ていると言わんばかりにひくつくソコを晒された。 「……あまり……見ないでください………」 カイルの視線が恥ずかしくて顔を背ける。 「可愛いよ………俺をもっと求めてくれ……俺の全てをお前にやる」 孔にカイルのモノがあてがわれ……ゴクリと喉が鳴る。 ぐぐっと入り込んでくる熱棒……。 「あ……ああ………カイ……ル……」 自分を抑えるようにカイルにしがみついた。 「リムの中は熱いな……蕩けそうだ……」 色気のある顔で囁かれ、思わず体が反応する。 「くっ……そう締め付けるな……」 眉を潜める表情すら色っぽくて……… 「カイル……好きです……」 「……お前は……まったく……」 甘いキスをされて、体から力が抜ける。 「ふ……んん……んぅ……」 どんどん奥へと進み込むモノに、体が、心が、喜び勇む。 自ら舌を絡め、挿入しやすい様に腰をずらし、カイルを求めた。 カイルも応えてくれるように律動を始める。 「んむ……ん……んあぁ……」 気持ちいい……待ち望んだカイルのモノをくわえ込み、快感を探して体が疼く。 頭に刻まれた快楽が心を乱す。 「カイル……もっと深く……もっと奥まで……」 「こんなに淫らなのに……この体を知っているのは俺一人だなんてな……」 「……カイル……嫌?」 カイルの言葉に不安がよぎる。 「ん?………興奮する」 カイルは舌なめずりをして、腰を激しく打ち付けてきた。 「あぁっ!はぁ!あ……あっ!ひあぁぁ!!」 奥を激しく突かれて、声を抑えられず、迫り来る快感の波に任せて髪を振り乱す。 カイルの息遣いも興奮したものに変わり、激しく俺を求めてくれる。 何度も擦り上げられて、溶け合う熱にカイルと一つになっていくような感覚になって……。 「カイル……もぉ……イク……」 「そうだな……俺も……いきそうだ」 大きく腰を振った後、きつく抱き締められながら二人で欲望を吐き出しあった。 カイルのものを受け止めても、世界が変わることはなかった。 この幸せは終わらない……。 ずっと……ずっと、続いていく……。 「カイル……もう一回……して?」 俺のお願いにカイルは目を見開いたが、ニヤリと笑い 「お前は本当に……覚悟しろよ?言い出したのはお前だぞ」 俺の中でカイルのモノが固さを取り戻していく。 何度でも……… 何度でも確かめたい……… この幸せが終わらないという事を………

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