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おまけ II
「 さぁーー
サンドラヴァレンタインパーティーの始まりのゴングを!!」
超ミニのチャイナドレスを着たサンドラさんが合図をする。
カーーーン!と鳴ったコングと共に両開きドアから一斉に男どもが入ってきた。
受付の俺は招待状とチョコで作った入場券を交換する。
「 そうです、こうやって首から下げて、
あ、舐めちゃダメです! 」
杏果のアソコを型取りして作った可愛い大きさのチョコ型ペニスに付いてるリボンで首から下げる。
「 これ、先端に真珠? 」
「 ワォ〜なんてエッチ!」
「 サンドラらしい〜 」
口々に褒められるけど俺はぺろぺろしそうな客に、
「 溶けたら入場できませんよ!」
と脅かすのに忙しい。
パーティー会場の方では杏果がサンドラさんを手伝ってるはずなんだけど、今更考えるとあの格好やばいんじゃないか?
「 ねぇ君、ちょっと!聞いてる ?」
「 は、はい!あ、すみません
えーと 」
招待状を渡されて名前を確認する。
「 サキイ? 」
「 そうSAKII 」
「 サキイ、ジュン? 」
「 違うJUNE 」
「 あ、ジューン 」
「 そう、 」
なんかすごい思い当たる節のある名前だわ。
目の前の男をもう一回マジマジ見る。
似てるような似てないような。
背の高さは同じくらい?
彼も日本人にしてはスラリと高い。でもこの人のブラウンの髪は染めてる感じじゃないし、眼の色も薄くグリーンがかってるし……
外人さん?
「 ちょっと、早くその小ちゃいのを 」
「 あ、ごめんなさい、はい!」
渡したチョコ型入場券を彼は振り子のように振りながら、
なにやら異国語で呟いた。
そのコッテリとした甘い声音にぞくりときた俺の警戒信号がなり響く。
そこへサンドラさんが、
「 ジューン!ウエルカム〜 」
と歓迎色いっぱいでやって来た。
手を引かれてるのは杏果。
みんなの視線がこの二人に刺すように突き刺さってる。
やばいなぁ
杏果のスタイル……
真っ白なケモ耳とお尻に付けたのは猫の尻尾。
歩くたびにユラユラと揺れるのがホントいやらしい。
前は……!!ぐわっ!!
家出るときにはすぐにコート着ちゃったから荷造りに忙しかった俺は仕上がったスタイルをまだ見ていなかった。
「 王国、あんた鼻血出てるわよ 」
サンドラさんにハンカチを渡される。
目の前には、
クリムゾンレッドのガーターソックスを履き、
白いケモ耳を付けて猫の手の手袋をはめ、
こまではいいよ、可愛いですむ。
男のシンボルが下がる股間に
キラキラとイミテーションダイヤでデコルテてされたペニスサックを付けただけの杏果。
激しい。俺はサンドラさんの甘言に乗せられたことを激しく後悔した。
「 オウ、サンドラ、
その隣のおいしそーなキティーちゃん紹介してよ 」
「 ジューン、この子は杏果ちゃん。
可愛いでしょ、私の秘蔵っ子なのよ〜
手を出しちゃダメだからな 、
脚も出しちゃダメ、ついでにあそこなんてもってのほかだわよ〜」
不穏な会話をしながら握手をしてる二人。
その間でモジモジと落ち着かなく慣れないものを付けた股間を意識してる杏果……
そこに男たちの視線が矢のように飛んでくる。
それを感じるのかヒップがピクンピクンと揺れるのがまたなんとも……
ジューンさんとやらは杏果の裸の肩を抱いて勃った乳首に今にも悪戯を仕掛けそうだ。
いやいやここはオレがエスコートせねば!
さっさと受付を終わらした俺が三
人の所に行くと、
何やら気になる会話が耳に入ってきた。
「 これ、小さいからチョコ流しやすかった?」
ブラブラと杏果の目の前で例のものを振ってみせる。
「 うん、ありがとう!
結構皺や血管の盛り上がりまで型取るから、
さすがジューン改良版だと思ったわ 」
「 ふふ、繊細なとこまで型どるためにアレとアレとアレ入れてるから 」
「 何?アレとアレとアレって 」
「 それは、企業秘密!
兄貴にも欲しいって言われて、取るのも付き合ったんだけどね。
やつのは大きくてさ、
いやぁ、兄弟とはいえ、目の前でオナニー見たのは初めてだったよ!
身内のチンコがキンコツリュウリュウ。
それにペタペタシリコン剤を塗ってるって結構笑えたぜ!
アレ、チョコが隅々まで流せるかなぁ
兄貴の恋人のは真っ直ぐで細めだから流しやすそうだったけど 」
盛大なハテナマークが俺とサンドラさんの頭の上に点滅した。
兄貴?
恋人?
「 兄貴って、、、、、
ジューンさんの兄貴の方のお名前って? 」
恐々先のわかってる質問を思わずしてしまった俺に、
「 うん、サキイ シュンっていうんだよ、
おかしいだろ?
兄貴がシューンで弟がジューンなんて
全く親父も何にも考えずに付けたんだろって、ね、丸わかりじゃない 」
聞かなきゃよかった答えが炸裂した。
兄貴はシューンじゃなくてシュンだったと言いながら、
わははと豪快に笑ってるジューンさん。
その言葉を聞いて完全に固まった杏果の薄い肩から回した指でその下の敏感な乳首をクリクリと摘んでる。
杏果、固まってないで抵抗しろよ!
「 兄貴の名前も割井さん、
恋人は…………」
サンドラさんがさっきの会話を思い出したのかじーっと俺たちの方を観察してる。
ひょっとして!
俺は慌ててサンドラさんの開いた口を思いっきり両手で塞いだのだった。
終わり
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