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第3話
届け物 幸福なホワイトデー
わけがわからないけど、驚きのままに、メッセージを開ける
指が震えた。
安藤君から
着いてる?
待ってる、ホームで
という、超短いメッセージ
暫く理解できずにぼけっとしていた僕は
何度かメッセージと乗車券を見て
時間を確認した。
鈍い僕でも、これとこれが繋がってること、
悟った僕は、慌てて、コートを着て、家を飛び出した。
新宿駅まで、40分はかかるから、
走りに走って最寄りの駅に着いた。
小雨が降ってきたけど、心は震えて、心臓は走ったせい以上にドキドキしてる。
取るものも取り敢えず出たのに、奇跡的に持って出たバッグを、胸に抱きしめて、乗車した中央線の窓に映る自分の顔を見て、びっくりしたんだ。
泣いてる、目が真っ赤
嬉しくて、信じられない半分、困惑とそれまでの哀しさと
入り混じって泣いてる僕は
それでも、とっても幸せそうに見えた。
駅のホームで待ってる安藤君に、なんて言えば良いの?
新宿に近づいて行く電車の中で、
僕はとっても幸せなホワイトデーを迎えてた。
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