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第1話

「Ωですか、珍しい」 「はい、うちに置いておいても主人や他の使用人達を誘惑するばかりで困っておりまして。売れますか?」 「とりあえず検品しましょう」 (まだ自分がΩだなんて信じられない…)  今日あった事を思い出してぼーっとしていると、僕はあっと言う間に裸に剥かれ、気が付いた時には分娩台の様な物の上に乗せられていた。 「えっ、ちょ、ちょっと待って!!?」  僕の言葉を無視し、白衣の男達は僕の四肢を台の上に固定して行く。 「はい、脚を開いて下さい」 「えっ!?」 「この台に足を乗せて。はい、そのまま動かないで下さいね」 「お、綺麗なピンク色ですね」 「これは処女かな?」 「や、やめて下さい!!」  そのまま後ろの窄まりを開かれて、眼鏡をかけた白衣の男達に穴の奥の奥まで覗かれる。 「やだ、やめて…!!」 「はーい、もう少しだけ我慢して下さいね」 (なんで、こんな事に…!) 「はい、じっとしていて下さいねー、今検査薬を挿入します。……あ、これは処女ですね、この年まで処女のΩとは珍しい」  羞恥のあまり涙ぐむ僕を取り囲む白衣の男達は、事務的に淡々と自分の仕事をこなして行く。 「さて、こちらも未使用かな」 「や、やだぁ…!だから僕は、セックスなんかした事ないって言ってるのに…!!」  自然と反応してしまった熱を人指し指と親指でちょんとつままれて、必死に頭を振るが四肢は固定されてビクともしない。 「そうは言われましても、”奴隷”の検査は私達の義務ですから」  ”奴隷”と言う言葉に口元が引き攣った。  僕は自分を売ろうとしている奥様にもう一度詫びを入れて助けを求めようと振り返るが、彼女はもう向こうで金の話をしている。 「はい、こちらも検品します」 「ひぁっ!?」  それからピンク色の謎の粘液をとろりと掛けられて、揉みこむようにそれを性器全体にまぶされて、屈辱と羞恥で涙がボロボロ溢れた。  ピンク色の粘液の色が水色に変わって行くと白衣の男は奥様達を振り返る。 「反応が出ました!青です!処女で童貞のオメガです、正真正銘の初物です!これは高く売れますよ!!」 「まあ、本当?良かったわ、こんな卑しい泥棒猫でもお金になるなんて」 「うっ、うぅ…」  こんな沢山の人の前で全裸にされて、お尻の穴の奥まで晒されて、勃起した性器までいじくられて、挙句に自分が童貞である事までバラされて、もう限界だった。  喉から嗚咽が零れだす。  涙を溢す僕の横で、僕の値段の交渉が始まった。 ―――僕は僕が見た事も聞いた事もない様な高値で売られた。

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