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第15話

ーーー隆都side やっべぇ。 いやいやヤバすぎだろ。怖すぎだろ。 とうとう鈴がキレた。 鈴が西条に谷ヶ野との関係をバラされた翌日から、鈴のストレスは溜まる一方だった。 毎日全校生徒の好奇の目に晒されイライラし、それだけならまだしも、西条や同じく四天王の久保田海が廊下ですれ違う度にその話を蒸し返して来るのだ。 いや、蒸し返すなんて生易しいもんじゃない。 「なんで家出したの?」「なんで縁切っちゃったの?」「なんで涼のこと無視するの?」といったような主旨の内容を延々と大きな声で言い続けるのだ。廊下で。 面倒くさくなることを予想して、ほとんど教室から出なかった鈴だが、それでも1日1度以上はコイツらに遭遇した。 おかげで、もちろん周りの生徒は興味津々で聞き耳立てるし、内容も内容で鈴のストレスも溜まりまくる。 ここ数日、居眠りが少ない代わりに、あまり表情は変わらないがちょっぴり眉間に皺を寄せて黒い空気をまとっていた鈴。 4日耐えた。 5日目の今日、昼休みに入り、移動教室からの帰り道ですれ違った久保田の「涼がお前と話したいって言ってるのに〜」の言葉でブチ切れた。 ーーーガンッ! ーーーバリンッ! 「あぁ?」 犠牲、たまたま鈴の左手側にあった家庭科室の曇りガラス2枚。 「おい」 「、うん?なぁに?」 これまでウザそうな態度を示しつつも、声を荒げることは1度もなかった鈴が荒らげた言動に、久保田の言葉が一瞬詰まる。が、少しぎこちないがいつも通りの声音で返す。 いやそれでもよく喋れたなぁと思うけど。 だって俺ら、鈴から何か出てる空気が冷た過ぎて微動だにできなかったんだよ? 「ウセロ」 鈴はただそう一言だけ残し歩き出す。 鈴が歩き出したところでようやく気を取り戻し鈴を追いかけた、 「待ってよ!鈴!」 「どこ行くの〜!?」 が、一瞬見えた。 慌てて鈴を追いかける俺らが久保田の横を通り過ぎる瞬間、 ーーーニヤリ 相変わらず、ぎこちなさはあったが、確かにニヤリと笑う久保田海の姿が。 何だろうか。俺らは、鈴は、ハメられたのだろうか? それとも、、、。 そんな事を考えながら透流と2人、鈴の背中を追いかける。 追いかけた先、鈴が向かったのは、、、 ーーーバタン! 「へっ?」 「え?」 「まじか。」 屋上。 昼休みは四天王が牛耳って休憩している屋上。 もちろんそこには四天王が居て、そいつらはまぬけな顔をして、思わず言葉をこぼした。 *

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