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第70話
夕陽side
朝起きて、リョウさんを見て…。傷が増えていることに気づいた…。もしかして、僕が無意識のうちに傷つけてしまったの…?
だから、リョウさんは僕に内緒にしているの…それだったら離れなきゃ…。これ以上傷つけたくない……。
「その、きず、どしたの……」
「ん…?なんでもないよ。気にするな」
「……ぼくの、せい…、なの……?」
「…いや、違う。どうした…?なんか不安なことでもあるのか?」
やっぱり濁された……。いつも傷のことを聞くと濁されて、話題を変えられてしまう…。そんなに僕にしたらたくない事なの…?
「ぼく、……ちがう、ぱーとなー、さがす…」
「……はぁ?…なんでだ?」
「だって、それ、ぼくじゃないなら、だれつけたの……?ぼくじゃ、ないひとと、シてるの…いやなの……」
「……っ」
否定してくれると思ってた…。リョウさんは、何も話してくれない。僕が無意識のうちにつけてしまった傷なら、まだ良かったのに…。
違うひととそういう事をして出来た傷だとしたら耐えられない…。リョウさんの部屋を飛び出して、自分の部屋に戻った…。今度こそ、ちゃんと愛してもらえると思ったのに……。
「……」
「喧嘩したの…?」
「…ううん、……ちがうの…」
「陵樹となんかあった…?」
リョウさんの部屋を飛び出した日から一週間。僕はリョウさんを避け続けていた。だから、
行為もしてなくて倒れかけることが何度かあった…。春くんは僕のことを心配してるみたい…
「話、聞かせください」
「あのね……」
一人では抱えきれなくなっちゃって、春くんに話した。春くんとは、義理の従兄弟にあたり、よく相談に乗ってくれる、兄みたいな存在だ。
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