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第58話 side景

『お前どこまで買い物行ってんだよ。遅いから逆ナンでもされて連れてかれたのかと思ったわ』 「ごめん心配掛けて。ちょっと色々あって。もう少ししたら帰るから。先に寝ててもいいよ?」 『いいよ、待ってっから。気をつけて帰ってこいよ』 電話を切って、友人宅へと向かう。 身に染みる寒さの中、今更タクシーを呼ぶ距離ではないから歩いて帰る事にするけれど。 《でさ、そいつ、俺に顔近づけて来て……気持ち悪かったで〜……ホンマ、アホやなぁ、俺……》 電話越しに聞いた修介の声は、泣いてるのかと思うくらい、語尾が震えていた。 許せなかった。そんな事をする奴、見つけ出して一発殴ってやりたい。 でも何より、修介が無事で良かった。 殴られたりとか刺されたりとかしていなくて。 それに、こんな形であるのが少し心苦しいけど、修介と会えた。 何度連絡しようと思った事か。あちらからはもう連絡が無いまま途絶えてしまうのだろうと思っていたから、安心した。 僕に電話してきてくれて、頼ってきてくれて、嬉しかった。 あと、さっきの顔。 咄嗟に引き出物だって嘘をついたけど、あの驚いた顔、滑稽で思い出しただけで笑える。 僕の事、もう許してくれたのかな。 修介はああは言ってくれたけど、これからは馴れ馴れしく、安易に触りすぎないようにしなくては。また手を振り払われたりなんかしたらたまったもんじゃないし。 今度家に招待する時は、美味しいご飯でも作ってあげよう。 修介は大事な友達だから。

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