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第267話*
早くゴシゴシとこすり上げて欲しいのに、景は繊細な動きを続けるだけで、一向に扱いてくれる気配が無かった。
やっぱり、意地悪してるんだ。
少しでも刺激を与えたくて、腰をやんわりと振ってしまうと、急にもう片方の手でお尻を鷲掴みにされた。
「んっ……何……っ」
「ん?足りないみたいだから、こっちも弄ってあげようと思って」
「ふぁっ……あっ、あ……っ」
景の長い指が、そのままゆっくりと体の中に沈み込んでくる。
待ち望んでいたみたいにすんなりと受け入れてしまった。
久し振りだけど、全部覚えている。景の指の動き、いいところ。
指の根元までしっかりと入れられ、一番感じるところに到達して、そこばかりを入念にこすられると、あまりの気持ち良さにぶわっ、と鳥肌が立って、ますます先走りの液を溢れさせた。
「んっ、んっ……ぁ、あ!」
「あぁごめん、こっちもちゃんと触ってあげないとね」
思い出したように、熱く猛ったモノを握ったまま止まっていた手も上下に動かした。
前も後ろも同時だと、本当に訳が分からなくなる。
「んー……景っ……意地悪……せんでっ……」
景の手の動きにとても敏感になっている体が、がくがくと震えた。
こうされると俺、すぐにイっちゃいそうになる。手にぎゅっと力を込めて景の体を抱きしめると、やんわりと指摘された。
「だめだよ、そんなに力入れたら。楽にして」
そんな事言われたって、体は言う事を聞かない。
前からはどんどん透明な液が溢れてしまうし、後ろは勝手にきゅうきゅうと景の指を締め付ける。
「欲しい?僕の」
その言葉にドキンと胸が鳴って、上目遣いで景の顔を見た。目が合うと、また濃厚なキスをくれる。
色っぽくて格好よくて、この人にだったら例え恥ずかしい事でも、何されてもいいって思ってしまった。
「欲しい……から、はやく、景の……」
涙声でお願いをすると、景は自分でズボンのベルトを緩めて、そそり立つ肉棒を出した。
膝立ちになった俺の後孔の入口に押し当てる。
どうなってるのか自分からは見えないから少し怖くて、先端を少しのみ込ませたまま腰を浮かせていたら、景に腰を両手で支えられた。
「そのまま、ゆっくり……上手だよ」
「あ、あ、あ……」
少しずつ腰を降ろされて、ずぶずぶと、俺のナカが景によって開かされていく。
躊躇して一旦引き抜こうと動きを止めたのに気付いた景は、俺の腰を一気に下に引っ張った。
ギッチリと景のモノを全て飲み込ませた瞬間、甘い声を上げながら俺は達していた。
「ぁぁあっ……!」
ピュッ、ピュッと白濁の液が散る。
景のシャツに思いっきり飛んでいるのに、景は気にするふうもなく、腰を突き上げて律動を始めてしまう。
「やんっ、景っ!ダメッ……イってる……!」
「んー?聞こえない」
「あっ、い、意地悪……っ、あっ、あっ……」
激しい挿抜に何度も意識が飛びそうになる。
ただただ景の背中にしがみついて、快楽に溺れるしかなかった。
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