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第288話

「お前さ、なんでいきなり莉奈と仲良くなってんの?店長までお前らの事疑ってたぜ?」 「まぁ、俺がいつでも話聞くって言うたからね……」 「彼氏の事だろ?それにしても修介にガンガン来るよな。莉奈の事嫌いじゃねーけど、たまにうぜーってなる時無いの?莉奈の奴、あわよくば修介に乗り換えようとか思ってたりして」 「はぁ?んなわけないやろ。莉奈、彼氏のゆきちゃんの事めっちゃ好きなんやで。単に俺が話しやすいんちゃう?俺も莉奈に気ぃ使ってへんから楽やし、別に迷惑とかは思ってへんよ?」 「へぇ。俺だったら嫉妬しちゃうなー。もしさとみちゃんが他の男とそんなに親密にしてたら」 え、嫉妬?その言葉にドキっとした。 「いや、俺、莉奈の事何とも思ってないで?」 「気持ちがどうこうじゃなくて、行動の問題じゃね?お前だって、景が女優と仲良く話してたらちょっとは嫌な気持ちになんだろ?例え気持ちは一切ないって言われたとしてもさ」 それを聞いてハッとした。 隠しているわけじゃないけど、景には莉奈とこんなに話しているなんて事は言っていない。 というか、景は今忙しいから、俺からの連絡を控えている。迷惑を掛けないように。 うう、翔平に言われてなんだかソワソワしてきた。 まるで浮気でもしているような気分。 「まぁ、景は修介が女に興味無いって知ってるから、あんま関係ねーか? あいつ、そういうとこ案外あっさりしてそうだしな」 違うんだ翔平。 景は結構嫉妬深いんだ。 でも俺は景一筋だし、翔平の言うように女の子に興味はないって景は知ってるから、事情を話せば分かってもらえるかも。うん、きっとそう。 今度会える時に、さらっと言ってみよう。 莉奈の彼氏の話をして、景はどう思うかアドバイスをもらえばいいんだ。 そういえば最近、悲しいことに景より莉奈の方がよく電話しているかもしれない。 本当は景に電話したいけど、誕生日までの辛抱だ。 明日、翔平とプレゼントを買いに行く予定だし。 良いものが見つかるといいな。 翔平と俺は明日の時間を再確認して、途中の道で別れた。

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