3 / 140
第3話
小学校の高学年になると、精神的に成長の早い女子が、どこからともなく言い出す。
『〇〇君がカッコイイ』
『〇〇ちゃんと〇〇君が付き合ってる』
それにつられ、男子もソワソワしだす。
でも、俺は違った。
確かに女の子は可愛い。
長い髪を綺麗に結んで、ひらひら揺れるスカートを履いた女の子。
オシャレに切った短い髪と、動きやすい服装ではしゃぐ女の子。
どの女の子も、みんなそれぞれ可愛い。
けど、俺には可もなく不可もなく"可愛いだけ"だった。
何人かに告られたけど、男子とつるんだり、幼なじみと遊んでる方が楽しくて、全て断った。
"俺も好きな子が出来たら、そのうち付き合うのかなぁー"なんて、吞気に思っていた。
中学校に上がるまでは。
ともだちにシェアしよう!