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第4話
中学2年の冬。
それは、青天の霹靂だった。
「晶!俺、彼女が出来たんだ!」
幼なじみが、笑顔で俺に報告してきた。
家が隣同士で、幼稚園からずっと一緒だった幼なじみ。
小さい頃から何をするにも一緒で、常にお前の隣は俺だった。
それが……。
「今日は彼女と帰るから」
そう言うと、教室のドアで待っている、ポニーテールの似合う可愛いらしい女の子のもとへ駆けていった。
ちょっとの距離なのに、少しの時間も惜しいかのように。
そして、幼なじみの隣に並ぶ彼女。
俺は、驚きすぎて声が出なかった。
今まで、お前に浮いた話なんてなかった。
お前から、好きな子がいるとも聞いたことがなかった。
ただ言えるのは、喪失感を覚えたこと。
自分に向けられていた幼なじみの笑顔が、もう向けられることはないんだという喪失感を覚えたこと。
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