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第16話
どんなに没頭しても打ち消せなかった。
だから俺は認めた。
自分はゲイだと。
認めたからといって、何か変わるわけじゃない。
いつも通りの日々がすぎていく。
ただ、恐怖がつきまとっていた。
もし、自分がゲイだと知られたら?
だいぶマイノリティーに開けたとはいえ、快く思わない人もいる。
きっと周りは好奇の目で俺を見るだろう。
今まで仲の良かった友達が、明らかに距離をとって離れていく。
でも、一番恐れたのは、嫌悪感に顔を歪めるアイツを見てしまうじゃないかということだった。
好きだった奴に嫌われるのは耐えられない。
だから、誰も俺のことを知らない場所に行きたかった。
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