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第19話

俺のクラスは、一番最後の入場。 浮足立った雰囲気が漂う廊下から、体育館に入った瞬間。 クラス全員の目が、ある生徒に注がれた。 もちろん、俺もご多分に漏れず。 入り口から一番離れたクラスの列に座る生徒。 俺と同じく背が高いのか、他の生徒より頭一つ出ている。 が、それで注目を集めているのではない。 遠くからでもよく分かる、褐色の肌と整った顔。 外国人にみえる彼の容姿に、皆釘付けになっていた。 ただ、そんな周囲の視線に気づいてないのか。 彼は、前を向いて、綺麗な姿勢で座っていた。

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