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第26話
俺の中で、なんとなく"佐々木雅実"を探すことが日常となっていた。
俺は8組、彼は1組。
まず教室の階が違うので、基本すれ違うことがない。
俺は部活生、彼は帰宅部。
もちろん、登下校の時間で、鉢合わせることなんて皆無。
合同授業の体育も違う。
外で授業してれば見れる可能もあるが、今の俺の席は廊下側。
意識しなければ、彼に会うこと、いや彼を見かけることすらない。
そんな日々が数ヶ月。
ある日から、いつもと違う光景を目にするようになった。
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