48 / 140
第48話
確かに、彼が俺以外の奴と楽しそうにしてるのは、あんま良い気はしない。
けど、それはあくまで俺の話であって、彼には関係ない。
人見知りの彼にとって、楽しいと思える友達ができるのは、喜ばしいことだ。
……と、自分に言い聞かせた。
「う、うん!」
嬉しそうに頷く彼。
また、心ときめかされる。
「そ、それに、寺島が俺に声かけてくれなかったら、みんな俺に声かけてくれなかったと思うし」
しかも、俺のフォローまでするとか。
「ま、まぁー確かに、寺島がまさみんと仲良くならなかったら、俺らも声かけなかったかも」
「うん、そうだな。まさみん、イケメンオーラが凄すぎて、近寄り難かったし」
彼のおかげで、クラスメイト達の俺に対する小さな嫉妬はおさまった。
それからSHRが始まるまで、彼の席はいつもに見ない賑わいだった。
ともだちにシェアしよう!