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第47話

「ってか、寺島ずりーよな」 広瀬のことは無視して、別のクラスメイトがじとーっと俺を見てきた。 それに賛同するように、集まっていた他のクラスメイトも"そうだそうだ"と頷く。 「何が?」 俺は、何のことだかさっぱりだった。 「何がじゃねーよ。一人だけ、まさみんと仲良くなっちゃってさ」 「そうそう。俺らも、まさみんのこと気になってたんだからな」 俺に向かって、一斉にワーワー言い出したクラスメイト。 それを見て、少しオロオロしている彼。 優しい彼はこの茶番を、寺島(おれ)が悪者になるのを、心配しているようだ。 「いいじゃん、今仲良くなったんだろ?なぁ、雅実?」 俺は笑顔で彼に尋ねた。

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