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第65話
ただ、彼と過ごす二人の時間も、
「まーさみ、おまたせー!」
「わっ!?雅人!!」
彼の一番 によって、強制終了となる。
"早く部活へ行け!"と全身で表現している雅人に対抗するも、彼も弟と同じ考えのようで。
やんわりと"部活へ行け"と言われる。
そして彼は、机の上に広げていた教科書類をさっさと片付ける。
もっと一緒にいたいと思ったのは、俺だけか。
並んで、教室の戸締り確認をしている双子を、ぼんやり見ながら思う。
ホント……。
仲が良すぎる二人をみる度に、見えない壁を、踏み入れられない領域を、思い知らされる。
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