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第71話

その日の夜。 ――ブーッ、ブーッ―― 常にマナーモードにしているスマホがゆれる。 {お疲れさま。日曜日は、総合体育館でいいんだよね? {時間は何時から? 彼からのラ〇ン。 必要最低限の内容しかない。 実に彼らしいライ〇。 うん、総合体育館。時間は、シードだから、たぶん11時ぐらい} 俺も、必要最低限しか送らない。 ――ブーッ―― すぐに返事が来た。 彼は、あまりマメな方ではない。 〇インを交換したとき、直ぐに色々送ったが、ほぼ既読スルー。 彼曰く、 『毎日会ってるのに、何でライ〇するんだ?』 彼がとても不思議そうな顔で言ったものだから、何も言い返せなかった。 他愛のないことでもラ〇ンしたい俺だったが、彼はそういったタイプではないようだ。 でも、俺だけじゃなく、全ての人にこの塩対応なので、あまり気にはならなかった。 ただ、今日ぐらいはスタンプとかあるかなぁと淡い期待していたが……。 {分かった。試合、頑張ってな! 彼は一切ブレなかった。

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