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第78話

インターハイ予選で優勝した翌日の昼休み。 期末テストのことをぼやいたら、まさかの雅人の提案で、彼にテスト勉強を見てもらえることになった。 そう……、 "雅実先生" その設定だけで、今の俺には十分なオカズとなった。 彼から教えてもらえる日までは、毎夜、"雅実先生"から、手取り足取り手ほどきされる妄想に浸った。 テスト明けの妄想は、もちろんご褒美設定だ。 そして、テスト1週間前。 現実の彼とのテスト勉強。 放課後2時間を利用して、彼との時間を過ごす。 そう思っていた。 なのにだ……。 「ここに、この公式を当てはめれば……」 「あ、解けた!」 「ホントだーーー!解けたーーー!」 「…って、何で広瀬がいんだ」 無垢な彼で妄想していた天罰か。

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