78 / 140
第78話
インターハイ予選で優勝した翌日の昼休み。
期末テストのことをぼやいたら、まさかの雅人の提案で、彼にテスト勉強を見てもらえることになった。
そう……、
"雅実先生"
その設定だけで、今の俺には十分なオカズとなった。
彼から教えてもらえる日までは、毎夜、"雅実先生"から、手取り足取り手ほどきされる妄想に浸った。
テスト明けの妄想は、もちろんご褒美設定だ。
そして、テスト1週間前。
現実の彼とのテスト勉強。
放課後2時間を利用して、彼との時間を過ごす。
そう思っていた。
なのにだ……。
「ここに、この公式を当てはめれば……」
「あ、解けた!」
「ホントだーーー!解けたーーー!」
「…って、何で広瀬がいんだ」
無垢な彼で妄想していた天罰か。
ともだちにシェアしよう!