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第82話
俺の言葉に、首をひねる彼。
「ん?俺と、二人っきりが、良かったのか?」
「そうだよ。はっきり言って、テスト勉強なんて二の次」
「に、二の次って……」
折角勉強を教えてくれ彼に、本末転倒なことを言って申し訳ないと思いつつ、俺は続けた。
「だって雅実といると、必ず雅人がセットじゃん」
「そ、そうかぁ?」
「そーだ!雅人がいないのは、教室で授業を受けてるときぐらいだし。けどそのときって、クラスの奴らもいるし。結局、雅実と二人っきりにはなれない!」
そう言って俺が鞄を肩に引っ掛け教室を出ようと歩き出すと、彼も慌てて鞄を持って俺のあとに続く。
俺は、彼が自分の真後ろにきたのを見計らって、バッと振り向いた。
「!?」
突然振り向いた俺に、彼は驚き、体をのけ反らせる。
そんな彼の目の前に人差し指を指し、確認させるように言う。
「オ・レ・は、雅実と、ふ・た・りっ・き・り・に、なりたいの!」
自分でも思った。
コレは、ほぼほぼ、告白だ。
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