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チラリと?!夏祭り 第14話(R-18)
「…外でするなんて…」
「ゴメン、ゴメンって!」
やはり靴ズレが痛むのか、少し右足を引きずるようにして歩く雅実。
俺は"ハハハッ"っと笑いながらペコペコ謝る。
「その"ゴメン、ゴメン"には、反省の色が全く感じられない」
前を向いたまま、じと目で雅実が俺を見る。
そんな雅実に対し俺は、
「ん〜、でも、雅実も気持ち良さそうだったじゃん?」
と笑って小首を傾げる。
俺が出した後、雅実も自分のモノを扱くスピードを上げ、色っぽく息を詰め果てた。
そのときの雅実は……、壮絶にヤバかった。
木に手をついて、少しだけ俺に腰を突き出すような体勢。
行為を終え、息を整えるため上下する上半身。
露わになっていた下半身には、俺と自分の吐き出したものがべったりと付着。
それはとろりと伝い落ち、膝下まで下げていた雅実の下着を濡らしていた。
あぁ、思い出しただけで滾 る。
「そ、それに関しては……」
さっきまでの不機嫌はどこへやら。
俺の言葉に思い当たるのだろう。
雅実は少し顔を赤らめ、バツが悪そうに下を向いてごにょごにょ言っている。
「また外でしたいけど、ちゃんと準備しとかないと…。今回の経験を踏まえて、着替えのパンツは必須だな」
「外では二度としない!!」
俺が冗談半分でニッコリ笑って言うと、パッと前の合わせを押さえて俺をキッと睨む雅実。
雅実の下着は思いの外俺と雅実の吐き出したもので濡れており、一応近くにあった公衆トイレで洗ったが、すぐに乾くわけもなく…。
なので、雅実は只今ノーパン状態。
乱れた浴衣をきっちり整えたものの、自分の着付けじゃ心許 ないのか、前の合わせと後ろのラインを気にしていた。
はぁ……、雅実は怒ってるつもりかもしれないが、その顔可愛いすぎ。
「じゃあ、今度は雅実のお家でしよっか?」
「あのな寺島、俺の家は雅人の家で、も……あっ!?」
突然雅美が、帯の間に挟んであったスマホを取り出した。
「あーやっぱり。雅人から電話が…」
そう言うと、雅実はスマホを耳に当てた。
雅人に折り返したのだろう。
「あ、もしもし雅人?…うん…うん…ホント、ゴメン!下駄が合わなくて靴ズレしてさ。……うん、今駅に向かってる。…だ、大丈夫だよ!!…うん、分かった。……だから、大丈夫だって!…うん…うん。じゃ、ももチャンにもよろしく言っててね。…うん、気をつけるよ」
「雅人、何て?」
「ももチャンがいるから先に帰るって」
"ふーっ"とため息をついてひと仕事終えたような表情で、スマホを帯になおす雅実は、
「あと…」
「ん?」
付け加えるように俺の顔を見る。
「寺島に気をつけろって。って言っても、もう遅いけど」
「ははっ!そうだな!!」
俺が笑うと、赤い顔でぶすくれた雅実がグイっと肩にグーパンチをしてきた。
それが可笑しくてまた笑う。
「でも、ホントごめんな。靴ズレ気付かなくて」
笑いが落ち着いた俺は、再び雅実に謝る。
「わざわざ公園 に行かなくても、会場でもいい場所あったの」
「寺島」
俺の言葉を遮るように声を出した雅実。
ボチボチ歩いていた足を、完全に止めた雅実に俺も足を止めた。
「まさみ?」
「寺島……俺、ここに来て良かったと思ってる」
「え?」
「その、さっきみたいな、外での、行為はなしだ、けど!けど…ここに来なきゃ寺島の本音が分かんなかったし、俺も、寺島に言いたかったこと言えなかったし……。だから、もう謝るのはなし」
いったん俯いた雅実だが、すぐに顔を上げ、
「……また来年も、あの公園で、寺島と花火が見たい」
照れ臭そうに笑う。
色気を孕みながらも、幼い少年のような雰囲気が漂う彼。
自分の気持ちに素直な彼は、快楽はもちろんだが、一番大切な思いも明確に伝えてくれる。
同じ気持ちでいてくれた恋しい人に、
「うん。来年も一緒に来よう」
俺はただ、囚われ焦がれるばかりだ。
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