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チラリと?!夏祭り 第13話(R-18)

「ッ……ハァ……ハァ……ンッ…」 「ハァッ…………ハァッ…」 どちらとも分からない青く荒い息遣いと、 ――パンッパンッパチュッパンッパチュッ……―― 熱を持った打音が耳に響く。 雅実の股は最高に気持ちが良かった。 いや、現在進行形で気持ちが良い。 雅実が細身とはいえ、ケツと(もも)にはしっかりと筋肉がついており、気持ち良さに崩れないよう足を踏ん張る度に、俺のモノを締め付ける。 うん、そろそろヤバいな……。 が、股を貸してる雅実は違った。 裏筋と玉だけの刺激だけではイケないのだろう。 「イキッ、たい……イキ…ハァ……い……てぁ、じま……」 溺れた雅実は、危ういほど素直だった。 うわ言のように俺に懇願する。 俺は、堪らず雅実の耳を食らう。 「なぁ……雅実」 ただ、男同士の行為に抵抗がないのは嬉しいが、その反面心配になる。 「自分の手で……、自分のチ◯コ、扱いてみて……」 気持ち良ければ、簡単に別の奴のところに行くんじゃねーかって。 雅実に限って、そんなことはないと思うけど……。 そんな俺の思いを知らない雅実は、やはり素直に俺の言うことをきき、右手で自分のモノを握り、 ――クチュッ…グチュッグチュッ……―― 「はぅ……ハァ……」 気持ち良さそうに扱きはじめた。 そして、手の動きに合わせるように腰も揺らす。 「ちょっ、……まさっ、待ッ!」 俺のモノを締め付けながら、腰を前後に揺らす雅実。 雅実の、快楽を得るためだけの無意識の行為が、俺に反撃をくらわす。 「ァァ…ッン……ハァ…」 「ま、雅実ッ!」 俺の声は届いていないのか、もっとと言わんばかりに大胆に腰を動かしだした。 マジで、ヤバい……気持ちが良すぎる。 妖艶なルシファーに引き込まれた人間が辿るのは、きっと皆同じだろう。 ――バチュッパンッパンッパンッ……―― ――ぐちゅじゅっぷちゅじゅじゅっ……―― 「ン、ンンッ……」 「…ック…ンッ」 俺はがむしゃらに腰を動かした。 久しぶりに会えて、嬉しかった。 夏祭りデートが、楽しかった。 二人だけの時間が、愛おしかった。 なのに、快感にそんな記憶が霞んでいき、"気持ちイイ"だけが俺を支配していく。 気持ち良ければそれでいいじゃないかと。 ――パンッパンッパンッ……―― 「ハァ…ハァ…」 気持ちイイ。 気持チイイ。 キモチイイ。 「…て……ま」 ふと、微かに聞こえた優しい音。 「てら……じ、ま」 快楽に瞑っていた目を開けると、雅実がこちらを向いていた。 「寺島」 俺の名前をはっきりと呼んだ雅実の口が、弧を描く。 柔らかく心地良い声と、美しく妖しい笑みが、俺を引き戻す。 ああ、そうだ。 これは、この行為は、雅実だから気持ち良いんだ。 他の誰でもない、愛おしい雅実(恋人)だから、こんなにも満たされるんだ。 ――ちゅ…―― 卑猥な音を発している下半身と反するように、触れるだけの軽やかなキスをひとつ。 「…雅実」 ゆっくり顔を離すと、満足そうに笑う雅実が、ゆっくりと口を動かす。 「好きだよ…寺島」 雅実の素直なその言葉に、俺は呆気なく果てた。

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