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第1話
【御 影 視 点 】
「御影……」
書類のかさばる雑多な書斎で、先生が自分の名を呼んだ。
夕日が強く差し込む部屋で、先生は窓際に立つと御影の足元に長い影を作った。和装に身を包んだ先生はいつも気難しそうな顔で腕組みをしている。
先生の優しい指が私の耳を愛おしそうに触れた。彼は目尻に皺を作って悲しく微笑む。
「……君は私を恨むだろう。どうか愚かな私を許してくれ」
その悲しげな瞳に手を伸ばそうとすると、先生は封印の呪文を口にした。途端に己の体が巻物に吸い込まれていった。
それから御影は封印された中で長い夢を見ていた。
御影は先生の優しい手によって目覚め、彼の手によって封印されるまで心穏やかに過ごす。何度も何度も先生との出会いを繰り返した。
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