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1.俺の従弟はアクマで鬼畜な麗しの美少年①

 親父の弟、俺の叔父が事故で亡くなった。それも、不幸なことに叔父の奥さんはこちらも、子供が小さい頃に病気で亡くなっており、つまり俺の従弟の中学生の一人っ子だけが、その家族の中で取り残された、らしい。  『らしい』というのも、親父は叔父と専ら仲が悪く、会えば殴りあいの喧嘩に発展しそうなくらいで俺の家族とはほとんど付き合いがなかったのだ。ただ覚えているのはまだ叔父の奥さんが健在だったころ、まだ二人を宥める人がいた頃、俺は叔父の奥さんの美しさに、子供ながら一目惚れをしてしまった。濡れ羽色、というのだろうか、一切手を加えていないロングストレートの黒髪に、モデルみたいに小さく人形のように整ったお顔。そのお顔に乗せられた、控えめに言っても花が咲き誇ったみたいな華やかな笑顔。華やかな見た目とは裏腹に慎ましやかなその所作、仕草。叔母は、俺の初恋の人だ。その叔母の子供が一人、取り残されたのだと聞いて複雑な思いもある。  俺は四大を出たばかりの、社会人一年生の新米サラリーマン(事務員)である。男の癖に事務員なんて情けない、と古い頭をした親父に詰られたりもしたが、元来俺は気が弱く、腕っ節も弱い優男、いやモヤシ男なのだ。背は中途半端な172センチ。会社に特に規定はなく、地毛であるからの茶色がかった色素の薄い髪は伸ばしっぱなしで後ろ髪は肩にまでかかるほどになってしまっている。顔のことは、勘弁して欲しい。一重瞼の、どこまでもフツメンというやつなのだ。高校時代は勉強は普通、スポーツは不出来、顔はフツメンということで、一世一代告白した大好きだったクラスメートに『柳(やなぎ)くんって、何かパッとしないっていうか……正直好みじゃないの。ごめんね』と酷い振られ方をしたものだ(今では笑い話だが)。おまけに何故か、フツメンモヤシだというのに男の方にモテることが多く、同級生やら今の会社の上司やらに散々なセクハラを受けている始末。情けなくて誰にも相談出来ない事実だ。 「ごめんなさいねぇ、家には嫁の赤ちゃんがいるから……」 「本当にすみません。家は共働きでも一人の子供を養うだけで精一杯でして、」 「子供は好かない、家で引き取るつもりはない」  と、諸々。叔父の葬式で出会った、親戚一同の言い分である。とにかくつまりはそんな俺、パート勤めの母親、大手企業のベテラン営業マンの親父の三人家族は、何の因果か行き場を失った中学生の従弟を引き取ることになった。  はっきり言って、葬式で涙も流さずじっと正座している従弟を見て、その美しさにハッとした。  叔母に似た人形のように整った小顔に、大きな瞳に空気に震える長い睫毛、そして頭は濡れ羽色の艶々ショートカット。学ランを着ていなかったら『従妹』だと見誤っただろう。それくらいに、しばらく会っていなかった従弟の『皐月(さつき)』は麗しく育っていた。葬式の場で、男気溢れる父親が『ええい、お前ら恥ずかしくないのか! だったら皐月くんは、家で引き取ってやるよ!!』と皐月くんを引き取ることを決めた折、皐月くんは美しく整った正座から姿勢をあげて立ち上がって、俺たち家族を見て(今思うと俺をロックオンして)、ほんのり柔らかく、すまなそうにはにかんだ。ズッキュン。とはこのことである。で、あった。 *** 「柳さん、朝ですよ」 「ん……む、うわっ!?」  天使のようだ、と思ったのだ。あの葬式の時は。しかし実際に我が家にやってきた皐月くん(中学二年生)は、確かに家族の前では慎ましやかで大人しい麗しの少年だが、しかし。 「はっ……ふ!? なにしてっっ、」 「何って、フェラ? んっ」 「くぁっっ!?」  じゅぷ、と皐月くんの小さなオクチが俺の貧相な、しかし生意気にも勃起した性器を喉奥まで咥える。途端、口内の温かさに俺は喉を仰け反らせて、まだ一階にいるだろう両親を思って口元を覆った。皐月くんは、天使の皮を被ったアクマであったのだ。いや、別に人間性に問題があるとまでは言わないけれど……とにかく何故か、今までであった同級生や上司のように、フツメンモヤシ男の俺を、家にやってきた初日から性的な意味で襲ってきたのである。 『皐月くんっ……何を脱いでっ?』 『柳さん、僕、寂しいんです』 『えっ』 『両親が亡くなって、独りぼっちになって、心細いんです。だから、』 『え゛っ!?』 『その寂しさを、柳さんの可愛いオクチで、全部包み込んで?』  にっこり。そう花のように笑った従弟に、俺は始めて、何を隠そう俺の自室でフェラ(というかイマラチオ)をさせられた。皐月くんの性器は見た目とのギャップがある、グロテスクに成長した随分立派なソレであって。最初彼が学ランを脱ぎ始めた時は『誘惑されてる!?』と顔を赤くして『だ、駄目だよ皐月くんっ、俺たち従兄弟同士で、』とか『てゆーか悪いけど、俺童貞だから! 優しくなんて、上手くなんて出来ないし!!』だとか間抜けな勘違いを晒しかけたが、皐月くんは容赦なく、前述通り俺の口に彼のソレをぶち込んで、俺の頭を引っつかんで動かして、涎塗れになった俺の口で自慰行為に近いフェラをさせたかと思うと俺をベッドに押し倒し……言いたくはないけれど、やっぱり容赦なく俺を縛りあげては『優しく、包み込んでね柳さん?』と言って俺の処女(男に処女なんてない!)に彼のソレをぶちこんできた。包み込む、って……抱きしめるとかそう言うことじゃなくて!? 俺のケツで、物理的にキミの性器を包み込むってことだったんデスカ!!? 間抜けにいい大人が、初めての痛みと苦しさに涙を流しながら考えた。新米サラリーマンであるこの俺が、どうしてこんな麗しの美少年に『抱かれる』方なんだよ!! 行為が終わった後にしくしくシーツに包まりながら訴えると、皐月くんはキョトンとして、当然のように言った。 『何言ってんの柳さん。アンタ、どっからどう見ても可愛いネコちゃんじゃん』  と。  話を現在に戻す。 「ふふっ、声、抑えちゃってかーわいい、」 「もっ……やらっ、皐月くっ、やっ、俺寝起きっっ!!」 「寝起きだから勃ってるんでしょ? だから僕が、んっ、処理してあげてるんだってば」 「そんなのっ、自分でどうにかできる、ってぇ! ひゃっ、さきっぽぐりぐりっ!!?」 「ん、ふふ、先っぽ好きだもんね柳さん。今度尿道でも開発する?」 「ひっ、やだっ、いやだっっ! こっ……こわっ……」 「嘘だよ、そんな無理させないって。『今は』。ほら、イきなよっ?」  じゅぷ、じゅぽ、じゅぽ、じゅぽ。淫猥な水音が部屋に響いている。こんな、皐月くん、いつものように母さんに『柳のこと起こしてきて?』と頼まれてやってきたんだろうにこんなに長居しては、母さんが部屋に、上がってきたらどうするつもりなんだ!? 間抜けな頭で他所事を考えていると、自分のフェラに集中していないことにムッとしたらしい皐月くんが、上下する頭の動きをもっと激しくして、スパートをかけてくる。おまけにシーツの間に手を突っ込んできて、俺の絞まったアナルに指を這わせて、俺がビクビクと痙攣しだした瞬間に、ズプゥッ!とその細い指を浅く挿入してきた。 「ひぐっ!!?」  どっぴゅ、ドク、ドクドク! 声をあげて俺は、中学生の従弟のフェラで達してしまった。こく、こくん。と、なれたもので皐月くんは俺の精液を飲み干して、うっとりと麗しの顔をほんのり染めては頬に手を当てた。 「ん、んんっ……ぷは、ごちそうさまv 柳さんvv」 「あ、はっ……はぅ、ひっ、酷いよ皐月くん……う、後ろまで弄ったりして!」 「ん、ナニ?」  ぐち。イったばかりで敏感な、俺のナカに挿入したままの指の深度が深くなる。『ぃあ゛っ!』とまた俺は声をあげてしまう。前立腺を、的確に突かれたのだ。 「……柳さんってば、後ろも我慢できなくなっちゃった?」 「――――っっちが!!」  と、いったところで一階から『皐月くーん、柳ー? 遅刻するわよー!!』といった母さんの声がしたからドンッと皐月くんを突き離す。くぽっと指が俺から抜けて、おれはぶるりと身を震わせたがソレは誤魔化して、立ち上がっては部屋着から、スーツに着替えを始める。 「もう! 皐月くんも、早く一階戻って朝飯でも食べなよ!?」 「ふぅん、まあ良いけど」  つまらなそうに皐月くんは言って、麗しのそのお顔を淡白に無表情に戻して、俺の部屋を出て一階の、暖かな家族が待つ食卓へと降りて行った。

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