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第1話 いつからだろうか1
Ωと言う存在を消したかったんだと思う。
初めてのバース診断の時までは、いや、結果が出るまでは愛されていたと思う。
『Ω』と出た瞬間に僕の人生は終わったと思った。
それからしばらくは家から出ることは禁止されたし、それと同時に家の者に会うことも禁止された。
それでも、Ωの特徴の発情期は一行にやってこなくて高校生になるのを期に家から出ることが許された。
それから、久しぶりに幼なじみの湊(ミナト)と出会い、意気投合して二年生の時に告白されて付き合うことを決めた。
18歳になったが発情期の症状も現れないし、もしかして診断ミスなのかと思い再度検査をしに行った。
「もしかしたら浦田葉月(ウラタハズキ)さんはβよりのΩなのかもしれません。Ωで間違いありません。」
そう診断され少しホッとしたのを覚えてる。
普通は12歳から16歳までの間に初めての発情期を迎える。そして、番を見つけるまで抑制剤と共に歩く人生を送る。一週間続く発情期にΩは振り回される。
だからこそ、世界でのΩの地位が低い。蔑まれ、捻られる。
頭脳、容姿、身体的に何事にも特化するα
いたって平凡なβ
穢らわしいΩ
これが世の中の成り立ち、抗うことの出来ない運命。
告白されてから一年がたったが、湊との関係は……………。
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