2 / 25

第2話 いつからだろうか2

告白されて、付き合い出してからちょうど1年前。 あの時は、好きだと言われて…。 僕のことを知っている唯一の人だから。 たぶん、僕にはこの人しかいないんだろうなっと密かに思っていたから顔に血が集まるのを感じながら 「お願いします!」 っていった僕に 「フハッ。顔真っ赤」 そう言って、キスをされた。 たくさん今までに経験したことのない【優しさ】と言うものをくれた。 いろんな所に一緒にいったり、食べたり、見たり、聞いたりした。 一緒に時間をかけて優しさをくれた。 1年ぶんの優しさが、愛が、思いや気持ちを築いてきたと思っていたのに。 なのに。 「よ!みさきー」 「ミナトくん!おはよぉー」 いつからか。 「みさき、今度出掛けようぜ」 「わぁ!それいいねぇ!どこに行く??」 ミナトは僕の隣にはいなくて。いつからか彼の隣には僕の親友がいるようになって… 「ねぇ、ミナトくん」 「うん?なんだ、みさき」 なぜ。僕の名前を呼んでくれないの? 「みさき…今夜いってもいい?」 「…えぇー。毎日はさすがに…葉月(ハズキ)と付き合ってるんでしょぉ? 」 浮気されるなんて。 信じたくない。でも、これが現実で…。 湊の浮気に気づいたのはかれこれ2ヶ月以上前。 湊にみさきを引き合わせたのは意図的じゃなくても僕で。 そこから二人がどんどん惹かれてくなんて、考えてもみなかった。 みさきはβで、でもその中でも可愛らしい顔立ちをしている。 少し考えれば、そっちに行っちゃうなんて分かった。 時間がたつにつれて、なんであのとき会わしてしまったんだろうとか、Ωよりもβを選ぶ方が堂々としていられるからなのかとか。 次々と後悔ばかりが出てくる。 でも僕は、湊がずっと俺のことを好きでいてくれるって、ずっとそばに居てくれるって。 ……Ωなのに? そうやって、自問自答を繰り返す。 胸の奥から苦いものがせり上がる。 俺はそれを必死に抑えて。 体のどこかで痛いと泣く声に耳を塞いだ。

ともだちにシェアしよう!