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第1話
今日は、学校に行きたくない。そう、思う朝のこと。行きたくない理由は一つ。
今日は、学校である紙を貰うから。
ある紙というのは、αβΩこの三つの性が書かれた紙。この世にはなぜあるのかわからない、α β Ω この三つに分けられた性が分かる日だから―。
「はぁ、行きたくないな。どうせ、僕はΩなのに…。」
僕は、Ω×Ωの家に生まれた。だから、Ω以外はほとんど有り得ない。
暗い気持ちで歩いていた。後ろから「叶ー!」と言われ、考えるのをやめて振り返った。
「二番、葦谷 叶(あしや かなえ)さん。取りに来て下さい。」
僕は紙を貰った。そこには、Ωと書いてあった。知っていたことなのに、肩を落としそうになった。
「十三番、粕谷 唯翔(かしや ゆいと)さん。取りに来て下さい。」
友達の手に紙が渡った。僕は、何か聞いてみた。
唯翔は嬉しそうに、α の紙を見した。僕は、良かったね!と声を掛けた。
すると、お前はどうだった?と聞かれて、慌てて「べ、βだよ!」と言った。
ここのクラスは少なくて、三十人。つまり、αは六人、Ω 三人、その他はβになる。
だか、クラスに伝えられたのは、α 三人、Ω 一人、その他はβ。と言うことだった。すると、Ωは僕だけになる。
そして、僕は先生から保健室に行くように指示された。そこには、同じ学年のΩが居た。
この授業は、通常の授業とは違って、Ωの発情期になったときの対策を教えられた。
二つ対処法はあって、一つは薬を飲むこと。
二つ目は、番を作ること。番を作ると、その人にしかわからないフェロモンを出す。
僕は、Ω×Ωだからフェロモンが強いと言われた。そして、早く番を作るか発情期中は部屋に籠るかにしろと言われた。
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