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第5話
と言って番になった。僕と唯翔は。
僕は、誰からも愛してくれない。と思っていた。
こんな自分、醜いし嫌われている。そう思った。自分なんて死ねばいい。
何回か思っていた。でも、唯翔が居たから。
唯翔が僕の初恋なんだ。伝える気なんてなくてこの世にはα β Ωが存在して、唯翔は何もかもが完璧だったから、αだと確信していた。
僕はきっとΩと分かっていた。だから、番になればと思ったが、その前に唯翔には好きな人が居ると相談してきた。
その話をしてきたから、きっと好きな人は僕じゃない。と分かった。
泣きそうになった。でも、頼られている。どうしたらいいんだろう。
だから、諦めようとした。
それからだ。僕が最低限にまで唯翔に会う回数を減らしたのは。
そして、番になった時、言われた。
「俺の好きな人はな。可愛くて、頼りなくて、俺よりもしっかりしてて、人懐っこくて、笑顔が一番好きなんだ。」
「なん……で?僕に…言…うの?」
「俺のね、好きな奴は
かなえ お前なんだ。ずっと好きだ。」
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少し、昔のことを思い出していた。
今では、唯翔と仲良く夫婦として生活している。
唯翔はαということで、どこかの社長をしている。僕はΩでどこにも雇ってくれないと言ったら、
「叶は俺の書記をやれ、そして帰るときは一緒に帰ること。発情期のときはちゃんと知らせて家に早く帰ること。わかったな」
と言ってくれた。
一度じゃない何度も何度も“死にたい”と思っていたこの人生を変えてくれた唯翔に本当に感謝している。
僕は、唯翔と共に歩んでいく。
過去はもう振り返らなくていい。
今、未来を変えるために
歩きだそう。
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