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あさひ(最終話)

辺りはすっかり明るくなった。 森の息吹きが聞こえ、鳥や小動物が活動を始める。 皆が起きる時間…、また、しばらく離れ離れの生活が始まる。 お互いに離れがたく思いながら寄り添いあっていると… 不意に、小屋から目をこすりながらシィが出てくる。 「…アサト」 「シィ、起きた?」 「…ラウ?」 こくんと頷き、ラウに目をとめる。 「久しぶりだな、シィ」 優しく挨拶するラウに、シィは反応の仕方に戸惑っているようだった。 「……」 「おいで、一緒に朝日を見よう」 そんなシィを手招きして呼んでみる。 「あさひ…」 「大丈夫、ラウは怖くないよ」 ラウの腕に凭れてみせながらシィを誘う。 「ん…」 ゆっくりと頷いて、オレとラウの元にくる。 ラウの腕の中にオレとシィ、護られるように大きな尻尾に包まれて、三人寄り添いながら木の上の小屋から朝日を眺める。 「綺麗だな…」 「あぁ」 「きれい…」 森の朝日は、とても神々しく、神秘的で、これからの三人の行く末を照らし出しているかのようだった。 【還れぬ森のΩとΩと獣人α】完結。

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