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第4話
忍び技を使う得体のしれない者
弦一郎はすっくと立ちあがり
「上等じゃねえか!このど田舎まで親父がいけと言った意味がこれか!」
御厨の一族は戦前から公家の血をひき、国家の裏側で暗躍し、祖父は勲章を賜ること二回という
参謀にたけた血筋である。
この平和な時代でも暗躍はつねに、日常の中で国は動く
その裏側は、壮絶な争いがいまだに繰り広げられている
「弦一郎さまがようするにねらわれてるんですよね」
さらっと楓がカップ麺をすすりながら、普通の顔して座っている
「首尾は?」
楓はニコリと笑い
「ぬかりなくしかるべき場所に移してある」
さて
部屋のど真ん中のベッドをいやでも視界から外せない
ごろんとねっころがって
「なんだかなあ」
すると楓は滑り込むように弦一郎の横に体を横たえ
「添い寝くらい、いいじゃん」
な、ま、またかよ
こうつは腕はたつんだが、この猫みたいな性格とのギャップ
この町はなにがあるんだろう
自分の体にぴったりくっついて眠る楓の柔らかな髪をそっと撫で
弦一郎も眠りに落ちた
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