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第3話
「なんだこの部屋は」
弦一郎は眉間にしわをよせ
楓は涼しげに
「おぼっちゃまにはこういう不便さもお勉強でしょ」
いやそういうことではなく
ダブルベッドがどんと部屋の真ん中にあるのだ
「俺一人でねるのならともかくなんでお前が一緒なんだ」
楓はお泊りセットをルンルンしながらとりだし
この部屋しかないんだもん
いいじゃん
すり寄ってくる楓をかわしながら
こいつ、わざとだな?
「へえ、楓は俺とねたいんだよな?
寝てなにかされたいってえ、何かってなんだろうねえ」
楓は真っ赤になり
「弦一郎って、いじわるだよね、ほんと俺の気持ちわかってるくせさ」
ゆっくり彼の頬に指を這わせ
「楓」
「うん」
甘い雰囲気の瞬間二人は同時に同じ方向に向かい
楓は金属の武器を投げ
弦一郎は足首からしゅるるっと鞭を持ちその先を切り裂くように振りかざす
「出てきな!次は外さない!」
楓は身のこなし軽く、その相手に向かい激しく戦意を向け
同時に弦一郎のガードに入る
「弦一郎さま、お怪我なさいます、ここはわたくしが」
楓の放った武器が命中したのか、人影がゆらりと崩れる
全身真っ黒のその陰は赤い血を流し腕を抑え
「伊賀の忍びか。」
「俺の動きを忍びと見抜くとは、貴様も忍びか?」
先ほどまでの甘い柔らかさは消え、相手を見据える
「ではやはり、こちらの方は御厨の」
!!!
そしてその男は前のめりに倒れた
「頸動脈を確認して、息はあります。弦一郎様、いかがいたしますか」
弦一郎はその倒れた人物の顔を見て
この男、俺を知るのか
楓に向かい視線送り
「俺の視界から消せ」
「御意」
楓はすぐさま、行動する。
この町はなにかおかしい
一回の旅行者を狙う
そして忍び技を使い
そして
この御厨を知っているとは。。。。。
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