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第18話
結局、僕が自宅に帰れたのは日曜日の夕方だった。
土曜日は1日中、寝ては抱き潰され、寝ては抱き潰されで、ほとんど記憶が曖昧だ。
日曜日も夕方まで体力が回復せず、それでも体を引きずって家に帰った。
案の定、家族には怒られた。
でも、「送ってくよ」と言って断っても付いてきた柊木くんが申し訳なさそうに僕の家族に謝ると、
「奏にこんな素敵な友達がいたなんて!」と、許されてしまった。
恐るべし、優等生。
そして僕は、夕方から大爆睡をかまし、月曜の朝にお母さんに叩き起こされた。
正直、学校に行けるほど元気じゃない。
運動会の翌日ですら筋肉痛で動けないというのに、金曜の夜から土曜の夜まで、24時間耐久セッ○スをさせられたんだから、なんていうかもう、筋肉痛なんてもんじゃないくらい全身が痛い。
「お、お母さん、学校やだ。休む」
「何言ってるの!ただでさえ成績悪いんだから、休むなんてダメ」
「やーだー」
お母さんとバトルを繰り広げていると、軽快なインターホンが鳴った。
「あら?こんな朝から誰かしら?」
お母さんが首をかしげながら玄関に向かう。
「奏ー!柊木くん、迎えに来たわよー」
お母さんが嬉しそうに玄関から戻ってきた。
「嫌。行かない。帰ってもらって」
「何言ってんの!せっかく来てくれたのよ!?素敵なお友達じゃないの、大切にしなさい」
「…」
彼、僕のこと、手荒く抱き潰してましたよ。
僕は、溜息をついて立ち上がった。
「5分で支度するから、待っててもらって」
「はーい。さ、柊木くんとお茶でもして待っていよっかな~」
お母さんがルンルンで紅茶を取り出すのを横目に、僕は支度のため、自室に向かった。
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