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第31話 ※微
「なんか奏、声が上ずってない?」
「そ、そうかな?」
「…、もしかして、おな…」
「してない!してない!オ○ニーなんて!」
「…、俺、お腹すいてる?って言おうと思ったんだけど」
「え?」
や、やべぇ…、墓穴を掘った…
「そっかそっか、奏は学校でしただけじゃ足りなかったんだね」
「え、あ…、そういうのじゃ…」
「なおさら、俺の家に来ればよかったのに、一人でするほうが良かったんだ…」
「そういうわけじゃないし…、だって、夢に秋臣が出てきて…、そ、その、エロいことするから…」
「ふーん?俺をエロいことに利用してたんだ?」
「ち、違うし!その、意図があってしたわけじゃ…」
「奏が変態ってことに変わりはないよね?」
「な、なんでそういう意地悪するわけ!?変態にしたのは秋臣じゃん!責任とってよ」
って…、うわぁ、何言っちゃってんの、僕!
さすがに、柊木くんもドン引きだよね…
「責任、取らせてくれるの?」
頭を抱えていると、聞こえてきたのは、嬉しそうな声だった。
「へ?」
「とりあえず、元気な息子さんの責任取ってあげる」
「げ、元気って…」
やっぱり、誤魔化しきれてなかったか…
「じゃあ、奏。俺の言うとおりに指を動かしてね」
「ひっ…」
急に低い声を出されて、体がビクビクする。
「ふふ、声だけで感じる?」
「や、やだ…」
「変態」
「あっ…」
ビュルビュルと吐精してしまった。
あんなに自分でいじっても出なかったのに…
「…、もしかして、イっちゃったの?」
「あ、うぅ…、どしよ、僕、変態なの?」
「ふふ、可愛いなぁ…、今すぐ抱き潰したいくらい」
グズグズと鼻を鳴らしていると、下の階が騒がしくなった。
「奏ー!帰ってるんでしょー!?」
や、やばい、お母さんが帰ってきた。
「ごめっ、秋臣、お母さん帰ってきたから、切るね」
「うん。じゃあね、また明日…」
柊木くんがまだ何か言っている気がしたが、お母さんにこんな姿見られたらマズイと、慌てて電話を切り、身支度をした。
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