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第73話
「うぁ…、疲れた…」
「お疲れ。はい、水」
ひんやりしたペットボトルの水を頬に付けられる。
「ひゃっ!?」
「ふふ、かわいいなぁ、奏は」
「くっそ。余裕ぶりやがって。毎回毎回、なんでお前ばっかりピンピンしてんだよ」
「さぁ?基礎体力が違うしね…」
「僕も部活しようかなぁ…」
「ダメだよ。何言ってるの?」
「なんで!?秋臣は部活してるじゃん」
「第一、奏にできる部活なんてある?」
「お前、失礼だな!!」
…図星だけど。
昔から運動は苦手だし、文化部でも活躍できそうにない…
「それに、奏の時間が俺以外に奪われるなんて許せない」
「それ、部活してるお前が言う?」
「…、じゃあ、俺も部活やめる」
「いや、ダメだろ。それに、僕のせいで秋臣が部活辞めたなんてなったら、僕が殺される」
「だろうね」
「ちっ…」
「動けない?」
「誰かさんのせいで、指一本動かすのもだるい」
「泊まってく?」
「…泊まる」
止まりの口実になるなら、体力つけなくてもいいかもな…
なんて、考えながら秋臣に擦り寄って眠りについた。
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