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第72話
ちらっと秋臣の顔を見ると、やっぱり涼しい顔をしていた。
だめだ、こんな緩慢な動きじゃ、秋臣を気持ちよく出来ない。
僕は必死に腰を動かした。
でも、全然思うようにいかない。
それでも、僕は気持ちよくなってしまう。
まるで、秋臣のモノでオナニーしてるような感覚だった。
虚しい。
秋臣にも気持ちよくなって欲しいのに…
じわじわと目に水の膜が張る。
「秋臣…」
「なに?」
「気持ちくない?」
「うん、全然足りない」
「ふぇっ…、ごめんなさっ。僕、絶対イヤって言わないからっ、許して下さい。気持ちよく出来なくてごめんなさっ」
「はぁ…」
「ごめっ、なさっ…」
秋臣の呆れたような溜息に、ボロっと目の淵から涙が溢れた。
嫌われた。
「さっきから、なんなの?いや、いじめた俺も悪いけどさ、くっそ煽るじゃん…」
「あ、煽ってないっ、だから許してっ、うわぁっ!?」
ぐるりと視界が反転して、僕の下にいたはずの秋臣が上に乗っていた。
「許すも何も怒ってないよ。ヤダヤダ言う奏も可愛いけど、健気な奏も最高に可愛い。興奮する」
「あ、やっ、おっきくなった」
質量を増した秋臣に、背筋が凍る。
結構もうキツイのに、まだ大きくなるってどう言うこと?
「ごめんね、奏。俺、多分2〜3回じゃ、もう満足できないかも」
「…は?」
「夜通し付き合ってね」
「ま、待って、嘘だろ?」
「じゃ、とりあえず一回目ね」
「ひゃあ!?あっ、あっ…」
上になった秋臣が腰を打ち付ける。
さっきは全然いい所に当たらなかったのに、秋臣が動くと、ゴリゴリと僕の前立腺を押しつぶされる。
「あっ、やっ…、これっ、だめぇ」
「だめ?やだ?」
「あぅっ、ちがっ」
「じゃあ、なんて言うの?」
「きもちっいっ」
「正解〜」
「ひゃあ!?速いっ、まっ…てぇ」
すごいスピードで突き上げられ、僕はすぐにイってしまいそうになる。
それに気づいたのか、秋臣が僕の竿をきつく握った。
「ひぃっ!?な、なんれ!?」
「奏、イくとすぐ疲れちゃうから」
「やだぁ!射精したい!!」
「甲斐性がないなぁ。またやめてもいいの?」
「ふ、ふぇ…、それもやだ」
「ワガママ」
「ごめっ、なさい…、僕、我慢しゅる」
「ん。えらい」
そう言うと、秋臣は僕の額にキスをした。
それだけでキュンとして、僕の射精感が高まる。
多分、秋臣が手を離した瞬間、射精る気がする。
「秋臣っ、口にもして?」
「!?」
「んあっ」
ビュクビュクと秋臣のモノが脈打ち、僕の中に熱い液体が注がれた。
すごい量…
「はぁ、奏には敵わない」
「秋臣ぃ、僕もイきたい」
「まだダメ」
「な!?ずるい!!」
「ずるいのは奏でしょ?俺がイくの分かっててやってるよね、それ」
「はぁ?」
「無自覚ならもっと悪い。2回目は一緒にイこっか?」
「ひゃあ!?」
まさかもう回復してるとは思わず、突然奥を突かれて、腰が反る。
本当に気絶するまで離して貰えなかったのは言うまでもない。
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