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第180話※微
カリッ
「んっ」
俺の体を愛撫しながら角を舐めていたアゼルが、突然噛まれて声を漏らした。
それがいつもと立ち位置が逆のようで可愛くて、俺はカミカミとそのまま甘噛みを続ける。
そうか、アゼルが俺を抱く時に沢山噛み跡をつける気持ちがわかったぞ。これは興奮するな。
「うぁ、……ふ、可愛い。俺もお前の血なら……飲んでみたいな……ん……っ」
「〜〜ッだから、そう言うことしたら俺がいっつもオチると、思うなよ……ッ!ちゃんと自覚しろっお前は俺のもんだぜっ」
「っひ、あぁ……っ!あっ、も、自覚、してるじゃないか……っ」
悦にいる俺の言葉に、アゼルはギュッと触れる腕の力を強くする。
バスタオル越しだった愛撫は、するりと手を滑り込ませて直接肉芯を掠めはじめた。
逆上せた頭でその快感を逐一受け止めながらも、どうにか会話をつなげる。
俺がいくら噛み付こうと、アゼルに傷はつけられない。
つけたところで五秒もあれば元通りだ。
「絶対、他の男にも女にも、ついて行くなよ?誰にも触れさせるなっ、お礼にとか律儀に土産なんか買いやがって……っ!」
「んっ……ヒ……ッそれは、ごめん、って言った、あっ」
「ふん。たまにはこうやって叱らねぇとな……俺がシャルのいうことならなんでも頷く従順な男だと思って、甘く見てたら大間違いだぜ。お前は変な男ホイホイなんだからな」
「ぅあっ、あっな、中ぁ……っ」
背中を這っていた手が割れ目をなで、そのままお湯でふやけた窄まりの中に、長い指が埋め込まれる。
中に入った指は自由に動き、入り口を広げるようにグルグルと根本を掻き回す。
時折抜き差しをくり返し、俺を翻弄する意地悪な指。
俺ははやく受け入れようと下腹部に力を入れたり息を吐いたり、自らもっとと刺激を求めた。
「ンん……っぁう、っ」
ズブ、と二本目の指が挿入される。
内側をなぞる俺を知り尽くした指先が、クンッと曲がって中のしこりをトントンと突く。
その指を締め付けながら、俺は拗ねているアゼルの首筋にチュ、と吸い付いた。
キツく痕をつけるように吸い付いても、アゼルの肌にはほとんど残せない。すぐに消えてしまう。それはいつも残念だ。
夢中で体を重ねて触れ合う。
浴室に反響する俺の喘ぎ声と、お互いの呼吸、お湯の揺れるパチャパチャとした波音。
「アゼル、アゼル俺は、いつも自覚、ちゃんとしてる……だって、こんな……ん、ぅ……こんな、気持ちいい、嬉しいの、お前だけだ」
「うぐ……っ、そんなのお前、こんだけ感度よかったら誰相手でも気持ちいいんだろうが。ほら、もう三本、奥まで飲み込んでる……欲しがってるだろ、奥」
「あ……っ!ぁ、そう、する体にしたのは、お前だ、ん、ぅ……き、気持ちいいと、好きは違う……」
溺れそうな体をアゼルにしがみつき耐えて、ツンと拗ねている整った彼の頬へ困り顔でキスをした。
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